「福翁自伝」という福沢諭吉の自伝。
(慶応大学入学時に頂ける本らしいです。わたしは慶応出身ではありません)
大阪で生まれた福沢諭吉。
大分県から出たくてたまらなかったそうです。
武士の子は武士、下級武士の子は下級武士。町人の子は町人のまま。(p21門閥の不平より)
いくら本人に実力があっても、身分制があるのでどうにもならない世の中に失望を感じていたようです。特に、大分県中津藩はそうだったようです。
大阪の緒方適塾に入り、塾長にまでに出世。その後、
中津藩の命令(p345巻末年表より)で
江戸へ行くことになります。この時代、「大阪で学び江戸で教える」という流れがあったそうです(p89大阪書生の特色より)。その後の活躍は周知のとおりなので省略。
「福翁自伝」のなかで、
大阪時代が一番生き生きと書かれています。福沢諭吉には、
自由で競争ある社会、身分が低くても腕ひとつで出世する大阪の風土が性に合ったのでしょう。
富田正文氏の解説(p330)には
「『大阪修行』と『緒方の塾風』とは全巻中もっとも精彩ある部分で、福沢の回想の筆はいかにも楽しく生き生きと動いている。福沢はここで生涯ふたたび経験し得ない豊かな青春を楽しんだ」とあります。
諭吉は、藩の命令で東京に行き、慶応義塾を創りましたが、
心の中には、「大阪修行」と「緒方洪庵・適塾」がいつまでも輝いていたのです。
http://www.youtube.com/watch?v=CJLb-yldoCg&feature=related

福沢諭吉生誕の地「大阪・大分中津藩跡」

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