今回のこのサトナカズというプロダクトのメイキングについて記させてください。
クッキーの5つのフレーバー塩・米・酒・昆布・黒糖については既に完成されてたので、それらをどのようなネーミングのどのような体裁で手に取った人に喜んでもらうかを考えるのがボクの仕事です。
パッケージの形態、色彩をどうするか。そして index card 能書き(発売元であるモナリザや EMELON on line shop が記載)は必ず備品として必要でした。この index card は毎回それなりにビジュアルとしてサトナカの背景を盛り込んで楽しんでもらおうと嗜好をこらすデザインの見せ場でもあるのです。
それで今回は、伊勢湾を水墨風にパノラマティックに見せるビジュアルを制作、絵を描き起こして神宮の外宮・内宮そして河崎を配置。工房のある朝熊町も記載し、伊勢のことをあまり知らない他所の人への配慮をしました。こういう風にパノラマに絵で見せると、何となく伊勢に行ったり絵の中を旅してる心持ちに少しはなるかもという仕掛けです。裏面には商品の由来に店舗の詳細情報、そして文章でも朝熊工房についてその地の歴史風土にも少しだけ触れてあります。
そしてそして今回はこれにプラス、グリコのオマケのようなものを商品に同封しました。それがこちら「PINE TREES AND SALT」松林と塩と題した Book match ケース です。ブックマッチのカタチをした小さな劇場装置です。
画像をご覧頂けば解るように、Book match ケースの中に岩戸の塩のビニールパックが入っています。外面の意匠は二見町にある神宮別宮で塩の神様を祀っている「御塩殿」の扉の意匠をモダンにデザインしました。内面には松林のイラストに少しストーリーとしてテキストを入れてます。二見という伊勢の小さな町をこのBook match ケースに封じ込めたらなという挑戦でした。いかがでしょうか?
二見と言えば、とかく夫婦岩や無事カエルや旅館街などがイメージとして賑やかなんですが、ボクの場合は全く違うのです。子供の頃連れて行かれた夏の海水浴場に松林などとともに塩っぱい海に浸かった時の驚き。二見はボクの中で、松林と製塩の町として定着してしまった。そして松林というのは地味ではあるけれど、素晴らしい日本の原風景だとも思うのです。
「PINE TREES AND SALT」松林と塩 という演目をこのブックマッチのカタチをした小さな劇場装置で演出してみようと考えたのです。そしてもちろんコチラの二見「岩戸の塩」、サトナカにも使われております。
これまでにもサトナカには神宮風の白和紙で着付けを施してみたり。サトナカというプロダクトそのものが伊勢に行きたくさせる、そんな喚起装置にしたいという気持ちはこの「小さな伊勢のお楽しみ」プロダクトを作った最初から変わりません。皆さんに喜んで手に取ってもらえ、楽しんでもらえれば幸いです。
では、いい日曜日をお過ごしください。

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