家に何気に置いてあったコミックスを手に取って読んでみた。息子(中三)のモノで少年ジャンプ連載の BAKUMAN バクマンというマンガである。漫画家として様々な苦難を経て成長をしていく若者二人を中心に進んでいく教養小説(主人公の精神的、心理的、または社会的な発展や精神形成を描く小説のこと)的ストーリーだ。登場人物の織りなす夢・人生・友情・ライバル・恋愛・編集者との絡み・時事・文化など彼らを取り巻く世界がユーモアなども絡めて描かれている。
少年ジャンプ平均読者年齢17歳、彼らが支持するこのマンガに51歳のボクが不覚にも嵌まってしまった。ホント自身ためになる話しなのだ(笑)
遡れば、独りっ子だった僕は漫画を買って読み、そのキャラを描いて遊ぶことが多かった。なので小・中学校で漫画の技術・知識で僕の右に出る者はいなかったし、作画もちょこっとだがかじったくらいだ。しかしそれも中学までで、その後はストーリーの無いイラストやアートの方向に眼を向け今に至っている。漫画は卒業した意識があったから、たまにつげ義春とかカルトな漫画を楽しむ程度で、週刊漫画や今流行ってる漫画などには興味もなかった僕がこれにはやられたのだ。
これデザインやアートに限らず、何かを具体的に興そうと考える全ての人に役立つんじゃないかと思うのだ。例えば、この物語りの舞台も本当に少年ジャンプなんだけれど、毎週人気アンケートなどによって数十名の漫画家が激しく競わされる厳しい状況下を、出演者が知恵を絞りフィジカルに生き抜く様は僕たちとそれほど変わらないと思うのだ。僕たちの現場は紙面とは違うからストーリー通り進まないにしても、難局における切り返しのヒントなりとしてためになる気付きが鏤めていたりするからグッと来たりする。そんな展開の中に身を投じると若返りが得られると言えば年寄り臭いか?
読者の平均年齢が17歳、何かすっとこのジェネレーションだった頃に引き戻されて「そうだよ、この感じ」なんて感覚にマンガで嵌まってしまったのだ。その頃の夢そしてそれに近づくために悩み行動することを忘れてはいけない。若者も僕たち中年も、そして年齢に関係無く精神において老いつつある多くの日本人にしても必要な何かがあるこのマンガをボクは押します。皆さんも読んでください。
ネオ・ウメダの前家主・梅田さんが僕に話してくれた。自分は18歳までここ河崎で育ち、高校卒業とともに大阪に就職し伊勢を離れ暮らし72歳になった。しかし私を形成したのはこの家での18年間でした、72分の18では無いのです。私の人生の70-80%がこの土地と家で18歳まで出来上がったのですと。僕は心打たれた。
生きて行くということは、自分の生命を表現するということ。表現するということはリスクを背負うということ。何かを興すということにしても同じ。
Have a nice day いい週にしましょう、皆さん。
最後にひとつだけ、主人公のふたりが意味も無く大学に在籍してるのがどうも気に食わないな?中退しちゃえよ僕みたいに、どっちにしたって苦難は付きまとうだろうが(笑)

4