伊勢市街地歩きのツール「あるく!マップ伊勢」 外宮を中心に情報満載。
今年は新装・第4版を発行予定。
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ちょっと大袈裟かもしれないが、絵画を志しアートなんかに身を投じ、NYまで出かけて行った地点で、社会の本流とは少し違う別の道を歩いてきた。帰国後、自分の町が詰まらないのは嫌だと、デザインを通して少し伊勢や周りの社会との接点こそ広がった。しかし、その方法論や発想は、昔とそれほど変わってはいないと思っている。
アートもデザインも、僕の精神や生活の一部を眼に見えるようにカタチにしたもので、それぞれの使命や機能の違いこそあれ、僕のbusiness・やるべき事である。僕の表現において、優等であるという事だけが基準では無い。美しくても、やっぱり詰まらないものは詰まらないし、単に真面目なだけでは伝わらないロックやアートにある反骨精神も僕の源でもある。特にアートに於いて、時にはユーモアが行き過ぎて、キワドイ表現なモノもあるのも事実だ。表現にも「振り幅」が必要だと思う。赤点を恐れていたら表現などできない、でも赤点取ったことを自分で認め次に進む人間でありたい。判断の基準を他人任せにだけしてはいけないということだ。
デザインは、伊勢に直結しているものが多い。ここで生まれ育った人間にしか無い伊勢に対する感性もあると思っている。僕が伊勢を表現するときに大事にしていることは、それを「よそ行き」にしてはならないということだ。伝統や正統、威厳や権威を美しさとして表現してる伊勢関連のビジュアルのアンチテーゼが、僕が伊勢のデザインを始めた動機でもある。それらは僕にとっては「よそ行き」な伊勢や神宮だったから、僕のはちょっと違うぞと言いたかったのだ。

僕の生家、1960年頃
もう無くなってしまった僕の生家は外宮の真横だった。警備も穏やかな当時だから、遊び場が外宮だった。その森や山にも分け入って遊んだ。穏やかで澄んだ昔からある森が僕にとっての外宮だった。正殿や別宮は、そんな森に印としてある建造物で、至る所に鏤められた数々の神宮の備品などに「不思議」を感じつつ子供から大人に成長した。なので学術的根拠の無い、完全自己流解釈の神宮が僕の中に出来上がった。それらを、上手く言葉や文章で表現できないから、デザインやビジュアルというアプローチでの表現を試みている。しかし、僕のように神宮を捉えている人間は以外に多いと僕は確信してる。60歳ほぼ人生のリタイヤと同時にここ伊勢に移り住んだ僕の無き父・清吉や、幼なじみで京都の大学を出て、企業に就職したにも関わらず退社して、遅まきながら宮大工として神宮に勤める同級生の仲間・英毅など……こいつもこの人もと次から次に頭に浮かんでくる。そんな彼らの想いを代弁して、せめても自分の出来ることをとのアクションが僕の伊勢デザインであれればといいと思っている。

神宮宮大工さんの作業帽(英毅くん私物、あるく!マップ伊勢に付いてます)
こういうデザインワークを経済活動としてだけじゃなく、今いる自分の場所で、自分の考えを伝えて行くためにも続けたいと思っている。モノを売り、お店を繁盛させるためのビジュアル装置でないデザインには、マーケティングと言うものが当て嵌まるのか、どうか。伊勢を楽しもうなんて火種をまき、人々を喚起するようなものを提案してるから「人間・自然マーケティングか?」やっぱり変だな。しかし、何もできない、いや何かしらできると思うことの方が大事だ。僕が伊勢に取り組んでると言うのは、こういう事だ。それは、グローバルな発想で、ローカルに取り組むということでもある。80'sに僕がいたNYのダウンタウン・イーストビレッジで驚いたのは、そのエリアが「ヒトのチカラで出来上がっている場所」だったということだ。ボロい汚い危ないが、全てに人間味に溢れ、血が通った町だった。モノに溢れ、でかい無菌空間のような六本木ヒルズや東京ミッドタウンとは全く違う町だった。「町のおもしろさはヒトのおもしろさ」どちらの町のヒトがおもしろいか、皆さんも考えてみてほしい。
まあまあこれで、年頭にあたり記したいことは記した。解りにくかったかもしれない僕のことが、少しでも皆さんに伝わったならばいいんだけれど。まあ「画家の裏の略歴」のごとくここでは触れられない、この稼業ならではのアンタッチャブルな部分もありますが、ビジネスとなれば face to face でお話させて頂きます。
では、こういう僕ですが、伊勢をおもしろくするために、何か出来ることがあれば一緒にやりましょう。僕も皆さんも共犯者を求めていると思うのですが、どうですか?
「共有したきモノを作る、共有したき場所を作る、共有したき時を作る」が、今年の僕のキーワードです。
風の噂でどうも僕は取っ付きにくい奇人・変人に思われてる箇所もあるみたいですが、とんでもない。自分で言うのは何ですが、フランクでハッピーな人間です、特に夜(アルコールとともに)はね。共に何かをやる、今の時代に求められてる大事なことですよ、巣ごもり止めて外へ出て、イヤホン外しエアーの振動を感じましょう。日の光とともに色彩溢れる絵も感じてください、僕が準備しますから。
とりあえずキリもいいので、この statement シリーズは今日で終了。春からまた稼働のネオ・ウメダ情報や、新しき油彩画他、今後も少しづつここで紹介します。どうぞ、お付き合いください。
Have a nice weekend, everyone.

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