「What about cafe business?」
伊勢をデザインしよう
カフェってオワコン?
EMELON として飲食って業務を珠家に続いて退いたのが先日。モナリザのカフェ業務は終了したわけです。ボクもゆきも飲食業務を終了出来てホッとしてます、肩の荷が降りたというのが本音です。ただ未だにそれらを惜しむ声が聞こえます、ありがたくも思わないこともないけれど、正直違和感もあるんですね。何なんだろうなこれは? でこれ記すことで自身少し考えを整理してみたいと思いました。
まずカフェ側は1時間のお客さん(コーヒーのみの人だっている)迎えるためにその数倍の時間(チキンライスの仕込みに掃除などなど)を要し準備をする。お客さん側は準備をしないのは当然ですよね。ここでひとつ無理が生じてるような、いやマネー払って飲食や空間を得るサービスなんだから当然か、これはこれでフェア。
皆さん乗用車でガンガン見えますから駐車場もしっかり整えないと。しかしそれだって大型商業施設やコンビニやフランチャイズチェーン店みたいにはいきません。ましてや古い町並みが売りの河崎です。駐車場、便利で当然がお客様のアタマ。なんだか、一方的にお客さんの要望に応えることがカフェの業務なのか?なんて思えてくることも度々でした。
カフェの存在理由って、基本として町の機能のひとつ、リフレッシュメント=一休みにタバコ一服、トイレ休憩、待ち合わせに打ち合わせなどなど。
これはボクの造語ですがこれ、カフェラーって人達の増加。カフェラーの定義として洒落てて可愛い空間がお好み、1人ないし2人で来店。生態はおとなしく自分達の世界に閉じこもりがち、とにかく黄昏たがる傾向が強い。彼らっておとなしいが重い、空間の邪魔にはならないけれどいいエネルギー出てないっす。立ち振る舞い、ファッションにおいても似ている。
カフェサービスを提供する側受ける側、どちらもプレーヤーなんですが、ここに生じてるズレを思わずにいられない数年間がモナリザにありました。
ズレがなくバランスが整ってるお店や場所は心地良く稼働してると言えるんでしょうね。そういう時期も最初はありました、しかし時代は動く変化は必然でしょうね。
伊勢でもカフェは増え、それらを利用する人口も増えたと思います。きっと利用者の裾野も広がったのでしょう。広がる増えるということはいいことでもありますが、反面場が荒れるということでもあるものです。
集ってくれるお客さんのせいにするつもりはないです。ボクたちも1996年にランティエという飲食業から珠家にモナリザと経て十二分に現場を経験して来ましたから、いろいろと挑戦も出来たし楽しい時もありました。まあ20年飲食業に関わったのでもう十分なのです。夜の業務も夜遊びも同じくもうほどほどでいいようになったのです。
それに、EMELONは飲食業務が母体でありません、伊勢をデザインすることが業務です。伊勢・河崎風デザイングッズ、それらを扱うモナリザっていう店舗。古民家の応用使用を提案するたらちねって新業務。宅建免許を生かしたゆき不動産、同じく彼女の地元朝熊でのライフワークで農耕。タケシのアートワーク、エメロン以外のセルフブランドや他の人達と組んだデザインワークスなどなどが今後の仕事プランなのです。
ボクたちの中では飲食業務はオワコンと判断しました。新しい枝を育てるために、古くなった枝を剪定したのです。飲食に集うお客さんとの間に次世代を共有し創造して行くのは難しいな、という判断をさせてもらった次第です。飲食業界や業種を否定するものじゃありません、ボクたちはそこから降りたということです。
食べることや黄昏れることに躍起で、なんだか共鳴出来るような未来にフォーカスしてるとは思えない人が増えて来た現場。食欲に訴え、喉の乾きを癒す黄昏空間サービスの提供なら他のカフェでも賄えるかなと。黄昏れる時も必要でしょう、しかしボクたちとしては何かが生まれ来る場としての場所の提案をしていきたいのです。時代や地域社会にしっかりと連動してるビジネスでありたいとも思っています。
今後もカフェの開業を夢見る若い人も出てくるでしょう、そんな人には自己満足で終わらずに、今後そのお店がどのような町の機能になって、どのようなお客さんと伊勢に化学反応を起すことが出来るのかを考えて進めてほしいな、なんて思うのです。シャギー感覚な今風なのもやがて廃れます、同じような店ばかり増えても残念、今までに無かったベンチャービジネスを目指してください。
13万が分母な伊勢の町にそんなに幾つも同じようなカフェに同じようなイタリアンにフレンチにワイン屋、要りませんよね。若い人達は知恵を絞って、空席を見つけ、今まで見落とされがちだったけれど無かった、けれど大事なベンチャービジネスを拵え挑戦してください。そういう次世代が増えることで伊勢も、そして同時に日本も変わることを期待したいです。
ボクたちが今取り組んでる「たらちね」は古民家一棟貸し(展示室も併設)で、利用者に伊勢の昼夜朝を楽しんでもらうだけでなく自分の仕事も伊勢に持ち込んでもらい地元のボクたちとコミュニケートを謀れるような形態を整えました。ボクたちの友人、そしてそんな友人からの紹介の方がご利用になれます。ささやかですが、ピンポイントにそんな人達と出会いつながりもディープに、ともに次世代にフィットするような何かを生み出す空間装置でありたいと願っています。
飲食は降りたとは言え、たらちねではゆきが朝熊で精魂込めて作った農作物や玉子、そして地元の安心食材を使った朝食のオプションもこっそりやってます。飲食も実は進化させてもいます、無理せずにちょっと違った新たなカタチで。
そして最後に大事なこととして記させてください。
EMELON は業種で自分たちを縛るのではなく、ゲストや時代との関係性の中から仕事を生み出したいと考えています。流行にも振りまわせれないし、枯れませんよね、それならば。今後は今まで以上にそこにフォーカスし、そのスタンスを謀り、次世代や伊勢にコミット出来ればと想うんです。

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