第983回の更新ですありがとうござます。
天之御中主神様はこの世界を創造してすぐに神産みをされて姿を消されたそうですが、
天にかかる橋つまりは天橋立が地上に落ちた時にもう一度姿を現されて、
神が居なくなったこの世界を天照大神と豊受大神に見るよう指示されたそうです。
なので眞井神社は二神一対の神としてお祭りしてあるそうですね。
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第十話「鬼族」
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「人間共」
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一瞬で消えていったゆきとあきちゃんのやり取りだったが・・
僕は何回も何回も思い出していた・・。
ゆき・・いや緑龍は切り離されたさ迷う霊達を大きく吸い込むように自分の体の中に取り込んでいる・・
その光景はまるでタツノオトチシゴが大切な卵を自分の体内で羽化させるようにまた飛び出してしまった稚魚を体内に取り込み、
外敵から守るような光景に見えた。
あきちゃんはその魂に語りかけている。
「人は未熟でありまた愚かなる生き物である故に間違いも失敗もする・・」
「時には取り返しのつかない大失敗もするかもしれない・・」
「しかし故に人であるのだろう・・」
「現世にとらわれてしまえばその罪も失敗の永遠に罪や失敗のままであろう・・」
「人に寿命があるのは・・やり直しのチャンスがあるからであろうと思う・・」
「来世は今よりももっと素晴らしい世界にする為に学び活かして欲しいと願う・・」
「憎しみに捕らわれる事もまた仕方ないかもしれない・・」
「しかし学んでほしい・・それはこの地に永遠に拘束される事であると・・」
そして最後に・・
「・・緑龍が導くあるべき場所に行きなさい・・僕等は現世から来世があるのです・・」
「来世も同じ事が無いように・・よろしくお願いしますょ・・」
さ迷う霊に支配されてしまっていた人々は突然我に帰った、その場で呆然としている・・
こん棒を握り締めた手も思わず手から投げ出し困惑している者、自分が何故ここで歩いているかと呆然と空を見上げている者・・
夢から覚めたら路上で立ちすくんでいるのだから仕方ないかもしれない・・。
結衣は口裂け女のような風貌のまま彼等に叫びだした・・
「聴け!!人間共よ!!己の弱さをしるがいい!!」
その声は心の奥にずしーんと響きわたって行く・・きっと彼等も同じだろう・・
しかし声は届いても結衣の姿を観れる者は一人も居なかったと思う、
もし観えていたとしたら一瞬で気絶していると思うからだが・・
その声で我に返った彼等は、思い思いの方向で一声に・
「ごめんなさい!!すいませんでした!!」と深々と頭を下げ一声に叫びその場から何処かえ走り消えていった・・
多分自宅だろうと思うが・・
叫び終わった結衣は何時も女の子に戻った・・
そしてベロを少しだしながら僕の方を意味深な目でみながら振り返った。
「どう私の二面性可愛いでしょ・・ふふふ・・」
「君はいったい何者なんだ・・」
「最初は霊だと思っていたけど・・もしかして地縛霊の一種??」
「へへへっじゃ猫さんにとりついてやろうか・・!!」
何時もの結衣だった。
「天之御中主神ょ、僕等はなんの為に生まれてきたのだろうか?」
解っていてもなにやら虚しい・・素晴らしい未来を創る為だとわかってはいるが・・。
黒雲は少しづつ晴れて行き、その切れ目から眩しい太陽の光が差し込んできた。
あたりは誰もいなくなり、静かな風景になろうとしている。
あきちゃんは陸橋下の名もなき稲荷神社に静かに手を合わしている・・
みゆきは僕の後ろにいてそのまま背中に手を置いた・・
「ぎぇーーっ!!!!」
僕は反射的にのけぞってしまったなぜならそれは龍の手だったからだ・・
その行動を抑え込むようにみゆきは少し力をいれた。
もう動けない・・・
みゆきは僕に話しかけた・・
「封印されし我が友よ、加奈とともに眠る友よ・・荒ぶるでない・・」
「青龍よ、我を開放しろ・・この世界はもう腐っている!!」
「我は破壊の神・・白龍なり!!」
みゆきは僕の方に回り、静かに囁いた・・
「猫さん次第だょ・・白龍を抑えて・・」
「おぃ・・勝手に人の体の中に入り込んでさ!!」
「いきなり出て来たと思ったら、誉田別命と海乱鬼を食うって・・!!」
「お前さどんだけのスペックもてんだ・・マジで・・」
「今回はさ、あきちゃんと結衣で片付いたからさ、おめぇはもう良いそうだってさ・・」
みゆきはニコッと笑って静かに僕に言った・・
「猫さん強くなったね・・ふふふふ・・アハハハ・・」
「笑い過ぎだと思うけどな・・マジ・・」
いつの間に白龍は僕の体に帰って行き静かになっていた。
みゆきの顔はゆっくりと牙がなくなり鱗は消えて行き、体ももとの大きさになって行く。
「あのさみゆき・・こうしてみるとさ結構可愛い顔してんだね・・」
「いやだ猫さん、、本当の事言わないでょ・・♪」
僕は静かに笑って言葉を飲み込んだ・・
「言わなんだら良かった・・これは封印だな・・。」
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今日も来て下さった皆様に幸せが降り注がれます感謝しますありがとうございいます♪

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