2008/9/16

パネルガラスの実習を終えて  学校

3週間のパネルガラス工房での実習が終わった。
研磨工よりは経験がある分きっと楽にこなせると思っていた自分がバカだった。
初日にガラスカッターでのガラス切り。ガラス切りは正確に言うとガラス表面にガラスカッターの刃でわずかな溝をつけ、その溝に下から上に力を加えることで引いたガラス線に沿って最終的にガラスを割る。 ベンデル先生は自分の手のみでガラスを割るように言う。
4mmのフロートガラスはまだしも3mmの厚みを常に確実に割ることが私にはできない。
ガラスカッターが今までのとは違うとか、力が無いとか、考えられる理由はいくらでもあるけど全部そんなの自分に対する言い訳。 正確にガラスカッターを引くこと。ポイントを定めて一撃の力を加えること。定義はシンプル。だけどそれをちゃんとできないことは自分が一番わかってる。ペンチを使ったり、溝に向かってガラスを叩いて先にひびを走らせたり、うまくカットできなくてもルーターで後で削ればいいという今までのやり方・考え方が、ただの甘やかしであって、結局道具がなければ今の私に正確なカットをする技術はない。

「道具を使わないとできないようではセミプロフェッショナルだ。」
ベンデル先生の言葉が重くのしかかる。 分かっていたけど聞きたくない知りたくなかったことをずばり言われる。鈍器でなぐられた感じの衝撃。けど先生の言ってることは100%正しくて否定しようがない。自分はただそれから逃げてごまかしてきただけだから。

道具を取り上げられて初めて私は本当に1対1でガラスと向き合わなければならなくなった。今まで自分を甘やかすのに慣れてきた分、与えられた課題をこなすことははっきり言って地獄。 58.5o×38.5oの長方形のガラスカットを約30枚。パネルガラス制作では数oの狂いも許されない正確なガラスカットが要求される。ひとつひとつのピースがバラバラであれば比べることができないけど、こういう一番単純な形は本当に同じ大きさでなければ見た目にもすぐ違和感を感じる。 何十枚フロートガラスを切ったことか。手の握力はなくなるし指は傷だらけになるしほんとに情けない泣きたい気分。 カリーナやレア、アナスタジアらが次の課題を進めるなか私は何歩も出遅れて、それでも何度トライしてもできない自分にくやしくて腹が立つ。 元々人より倍の時間を要するほうなので、結果的に次の課題であるひし形のパネルは規定の半分の大きさまでにしか仕上げることができなかった。

『パネル制作』『研磨』『カッティングガラス』『絵付け』と4つある工房のうちどれかひとつをゆくゆくは選んで専攻することになる。今は12週間かけて各工房をグループごとに回って基礎技術を学ぶいわばお試し期間。この学校に来たのはガラスの絵付けを勉強するためなのでたぶんパネル工を選ぶことはないと思う。だけどこのパネル工房で作業した意味は私にとって大きく、間違いなく大切で必要な期間だった。先生に代わっていつも親切に指導してくれたガラス科の先輩にも感謝している。

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真ん中にあるのがドイツ製のガラスカッター 
ペンチは基本的に切り取るガラス幅がせまい時か、角を取る時のみ使用
左にあるのはSchneideschlitten ガラスカッターを固定して線引きする

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ガラスと鉛を編みこむように順番にはめ込んでいく

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パテを詰めて鉛の両端を押さえた後おが屑でひたすら余分なパテを取り除く
この作業にもかなり時間がかかった。神戸の工房にいたときS野さんがパテ詰めを「あんこ詰めてるみたい」と言っていたのを思い出してほんとその通りやと思った(笑)
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