経絡指圧のコツは「手」の力をどれだけ「ゼロ」にするかということなんですけれど、手に力が入っていなくて患者さんの身体に触れると、患者さんの身体の力も抜けて、身体の奥深くに指が入って行きます。角度も深さも一押し一押し違っていて、いろんな身体の深部へ向かって、丹田から発生した力が浸透していきます。
そのラインは「表面上の経絡」に沿って流れていきます。「身体の深部の経絡」と「氣の経絡」はまだまだその先の方に存在しています。
押圧している間はずっと患者さんの身体と経絡(生命エネルギーそのもの)との会話を続けているような状態です。それは私の潜在意識と患者さんの潜在意識の会話になります。私の顕在意識は、各臓器経絡ごとの虚実の状態を読んだり、筋肉や骨格のバランスを見たりしています。
時々、私の身体の調子が悪い部分を患者さんの経絡が気遣って治してくれたりします。ありがたいなぁと思います。勿論、こちらも十二分に氣のバランスを調整したりしているのですが、人と人の心と身体というのはとてもお互いに思いやり深いものなのです。
施療の間中、私の「氣」と患者さんの「氣」は会話をしています。「手」は「無」となって、私と患者さんの身体のホットラインとなって中継をしてくれています。時には、私の「氣」は鏡のようになって患者さんの「氣」を幾らか増幅して患者さん自身に返していくこともあります。でも、補充したり、排出したりがほとんどです。バイブレーションを整えたりもしています。きっと、その他にもいろんな事を私の潜在意識は患者さんの「氣」と語り合ってしているのでしょうが、よくわかりません。私は施療の間中潜在意識には自由に遊んでもらっているように願っています。変な施療かもしれませんね。

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