私の好きなジャズのサックス奏者です。マイルス・ディビスといっしょに演奏していた40年代の人ですが、とても叙情的な演奏をしてくれます。ジャズ・バラードというのは秋の夜に聴くの最高です。
ビデオ・CDレンタル店で店長をしていたときに見つけた彼の「黄昏の中で」というアルバムがきっかけで好きになりました。先日、ブック・オフの通販で中古の品を見つけて購入。昨日の夜は彼の演奏に浸っていました。
音楽というのは個人的な世界のものなので、人にこれがいいよと勧めるものではないと思っていますので、独りよがりの独り言です。彼のサックスは魂に寄り添う感じがあって、静かに人の苦悩を語っていますが、誰にも強制的に聴かせようとはしていません。秋の虫たちの鳴声がいつのまにか集まってメロディになっているような感じなんです。なんていうととても大げさですね。
黒人の方が聴かせるジャズというのは明るいけれど、悲しみがあって、強いんだけれど優しさも含んでいて、彼らの「血」が作り出す特別な響きがありますね。
クラッシックで言えば、やっぱりヨーロッパの長い歴史の中で育まれた特別な「音」や「旋律」というものがあるように、ジャズには黒人の方独特の「音」があるように思います。音楽の勉強などしたこともないのですが、音の裏にある何かが時々心に響いてくるような気がします。これは、人なら誰にでもある機能なんだろうなぁと思います。

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