アビスというSF映画が好きです。深海に居住する異星人との交流のようなものを描いているのですが、攻撃的な地球人は核攻撃を宇宙人に仕掛けようとして深海に核爆弾を落としますが、良心的な地球人がそれを阻止するために深海へ単独で特殊な深海用潜水服で降下していきます。
このシーンがたまらなく好きです。音のない暗黒の深海底へ生命の危機を感じながら落ちていく主人公。
時々妄想することがある暗い暗い闇の水底へゆっくりと落ちていくヴィジョン。そこに強い憧れのようなものを感じます。前述の映画のシーンはまさしくそういう妄想の世界の映像化です。結局主人公は宇宙人に救われてハッピーエンドになるのですが、ハラハラドキドキの映画作品です。海というものの持っている包容性というのは計り知れないものです。根底には人は海に対して「怖れ」というものを持っていると私は思っています。
まだ全容がつまびらかにされてはいない深海世界。そこに神秘と怖れを感じています。

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