ハモネプというテレビの番組を見ていて思い出したことがありました。何十年か前に高校の同窓会をしたときだったか、そう親しくもなかった男の人たちとカラオケスナックのようなところに行った時の事。
どういうタイミングだったか忘れたのですが、そのうちの男二人がいっしょに歌を歌い始めて、途中からハモリ始めたわけです。そしてなんだかそれ以外の連中(同じ高校だったけれどクラスはいっしょにならなかった人たち)は終わると同時に拍手喝采をして、その二人はハイタッチしているわけです。
その時の私の感覚は「のけもの」という感じでした。単なる私のひがみ根性の発揮された瞬間と言ってしまえばそれまでなのですが、音楽という皆で楽しむものという大前提「も」あるものの中に他者を排除する感覚があることに何となく気づいたような感じもありました。
小さいころから「のけもの」にされるという感覚はよく味わってきたので、そういうことには敏感で自分自身は決して他者をのけものにはしないと心に強く決めています。
世の中の紛争やもめ事の根本は「のけもの」にするという人の心と行為なのではないかと思います。のけ者にしている人たちに「悪意」や意図的なものがあろうとなかろうと結果は同じように少数派や弱者や敗者を作っているのではないかと思います。
同じものを楽しんでおられる人たちが他者に対して「私たちは自分の好きなことを勝手に楽しんでいます。誰にも迷惑はかけていません。いっしょに楽しみたければどうぞ私たちと同じように同じものを楽しんでみてください。そうしなければ受け入れませんよ。」とやっているのを見ているとなぜかほんの少しだけですが「のけもの」造りの気配を感じてしまうのです。
単なるひがみ根性の発露でしかありませんが、私は自分の好きなものを決して露出しないし、ましてや人に強制したり、仲間を募って集団を組んだりはしたくありません。なるべく一人でこっそりと楽しむようにしています。のけものにする側には決して立ちたくないので・・・たぶん世間一般の人たちにはおかしな人間だととらえられるだろうとは思っております。

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