「コンティキ」という映画をDVDで観ました。知っておられる方も多いと思います。コンティキ号漂流記で有名なあの冒険談です。
小学生の時に教科書に載っていたお話。南米のペルーからバルサ材で組み上げた筏に乗って風の力だけでオセアニアまで行こうとす冒険・考古学、民俗学的検証の旅です。
主人公のトール・ヘイエルダール氏は自分の学説によるペルー人が何百年も前に筏に乗って太平洋を横断してポリネシアへ到達していたはずだと言う学説を打ち立てましたが、当時の学界はこれを無視したわけで彼はそれなら実際に行けることを証明してやろうとしたわけです。
でも映画になった作品を見ていて思ったのは南赤道海流という大きな海の道に乗って、百日余りでポリネシアに到着したわけですが、無動力で進む船に海洋が見せてくれる神秘の数々、そして到着寸前に海上に飛ぶ海鳥の姿を見て乗員が陸の近いことを確信して歓喜する姿、そこには何か日本における「アメノトリフネ」「天鳥船」の姿が重なりました。
古代の人達が何を根拠に広大な海原に未来を託して航海に旅立ったのか?そこには海の彼方に必ず新しい天地があるはずだとする類いまれな想像力か、神意というものが伝わったのか、人の民族としての伝播力というものの真底を見たような気がしました。

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