妖怪という存在に惹かれるのは何故だろうと考えてみると、幼いころの記憶にたどり着くような気がします。
幼いころの遊び場の原っぱや廃屋の中にそういう存在が隠れていたことを何だかうっすらと感じていて、そして何だか守られていたような感じもして、そういう記憶が妖怪たちへの親近感につながっているような気がします。
水場なんかは子供にとっては危ない場所ですが、そういうところで危ない目に会いそうになると何かそういうおかしな存在が行かせないようにしていてくれたような気がします。
危険な水の中に引き込む存在では無くて、できるだけ子供たちを楽しい力で暗闇の方へは近づけさせないようにしていてくれていた存在が妖怪たちのような気がします。
人の魂や怨念のようなものと違って、妖怪は自然の精霊が形を変えたもののようで、それは幼い子供のような無垢な存在に対しては一種の「守り」の姿勢を貫いてくれているような気がします。

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