子供のころ夏は蝉取りに夢中でした。私の住んでいた地域は寺院がとても多い土地だったので、境内の木々に蝉たちが数多く出没したものです。
鳴き声を頼りに「数集め」に奔走する日と、種類を増やす日に分けて楽しんだりしたものです。
数集めの日にはやはり一番数多く取れる「アブラゼミ」がターゲットになり、ゴロという鳴かないメスも含めて三十匹以上捕ったものです。これらは確か最後には逃がしてやったような記憶があります。
種類集めでは「ニイニイゼミ」や「ヒグラシ」や「ツクツクボウシ」なんかを集めていて、たまに「クマゼミ」なんていう希少なセミを捕まえると有頂天になったものです。
それなのに今年の夏、あまり蝉の声を聴きません。どうしたのでしょうか。

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