十一月三日 日曜
朝から曇っていた。
なにかが
はじまる予感などを打ち消すように、雨。
雨が、
静かに降りだすなかを歩いていた。
黒川にある古民家ギャラリー「鳴意夢庵」にて
「風崩し 三ツ車」
くまい / なそ / やさな 3人展。
六畳ほどの和室の壁、襖、床の間などに小さめな作品が数点と、それらを取り囲むかたちで沢山の風車が、飾られていた。和紙に糸を漉き込んで、人物の髪の毛に見立てた作品があり、その糸で描かれた髪の毛たちはまるで強い風を受けて激しくなびいているかのようだった。けれど室内は完全な無風で。部屋中の風車たちもいっさい回転することがないどころか、かすかに揺れたりすることさえ なかった。
時が 止まっていた。
もちろん、それは錯覚で時は止まっていなかったのだし、あまつさえ演出用の扇風機を忘れちゃっただけなのでもあった。ほんとうは風を送って風車まわしたかったんですよーう。て、くまいちゃんが言ってた。 たのしかった。
なそさんや奇人じょにーさんにも会えて、なにかが、はじまっていく気持ちがしてちょっと、傘を忘れていきかけるくらいに雨はやんでいて、でもすぐに、どにちエコきっぷ(地下鉄バス乗り放題)を失くしちゃうくらいに雨は再び降りはじめた。
終わりが訪れる。
矢場公園で開催されていたCINEMA CARAVANの様子をチラ覗きしてから、新栄SOUL KITCHENに移動した。アニマルズのひとたちが去年オープンしたライブハウスで小さめの箱だよーとは聞いていたけれど初めて行ってみたら、その確かな狭さに確かにワロタ(真顔)
(・_・)
Huck Finnが昔、伝説的な狭さだったらしいけど、ひょっとして記録更新かも。ライブバーなら、もっと狭いとこあるにしても「ライブハウス」としては革命的な狭さで素晴らしかった。
MALiCE PANiC a.k.a RADiXTARS 主催の「Fall Down Nine」ていうイベントで、MALiCE PANiC a.k.a.かっこよかった。メンバー全員が魅力的だし、演奏技術もあって、気合も入ってるし、なによりパンクだった。パンクていうのは人間の生きている在り方a.k.a.人柄の話だと思うけど、だから好きだった。シンガロングな曲とか、胸が熱くなるほど。はじまってると感じた。
お客さんが、もっと盛り上がっても良かったんじゃないか。あくたむしのマーブルチョコにしたって、じゅうぶんにモッシュナンバーのはずだ。なにしろ雨は強さを増して
きみに、なんどでも
終わりは訪れる
ovallが、名古屋ラストライブだった、と。
素敵なライブだった、と。 聞いた。そうか。
いつだってなんだってそうだけれど、もしも
これが最後なんだと分かっていたら。
どんなに楽しくても泣くことしかできないし
どんなに悲しくても、笑うしかない。
ぼくたちは満足だ。失くし物はあれど。
はじまりは、うれしくて 終わりは やさしいね。

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