3/6(水) 新栄ロックンロール ブッキングデイを観に行ってきた
ザ・ソファーズ / 鈴木実貴子 / the study room / あくたむし / 舟橋孝裕
バラバラだなーと思いながら行ってみたら、壮絶にバラバラだった
1、舟橋孝裕
架空の定食屋「くきっこ」で、ひたすら生姜焼き定食(実物)を食べていた。端的にいえば定食を食べているだけの25分間。
「ロックの本多さんから3月にソロやらないかって言われたけど、なんとかしてステージで生姜焼き定食を食べれないもんかなー」と言いながらステージで生姜焼き定食を食べているというメタフィクション。(メタフィクションていう言葉の使い方あってるのかしら)
ちなみに「くきっこ」というのは新栄ロックンロール近くにあった今はなき定食屋「こめっこ」へのオマージュに違いなく、今はなき「大丸」のことであろうラーメン屋を想って「形あるものはなくなっていく」と呟いたりもしてメッセージ性があると見せかけていたけど、生姜焼きが食べたかっただけだろう。
バンドマンらしく定食の小鉢をリズムセクションやウワモノに例えたり「低域を活かす為の高域としてのキャベツ」とか面白い言い回しもあったけど、生姜焼きが食べたかっただけだろう。
本格的な生姜焼き定食、テーブル2つに、他の客役と店の大将役として役者2名までも用意して演劇に仕上げてたけど生姜焼きが食べたかっただけだろう。
そしてその生姜焼き原理主義的ともいえる欲求を叶えて、実際にステージで生姜焼きを食べれたのだから舟橋さんは勝者だった。
初めて見た人は面食らったかもしれない、でもその新鮮さ以外に何があるんだろうと僕は思った。舟橋さんは、いつもソロライブと称して不思議な事をしてるらしくて、たぶん今回のよりも面白い演目があるはずだと思う。でもそんなの関係ねえ。生姜焼きが食べたかっただけなのだから。
2、あくたむし
パンクだった。音楽として、ではなく在り方としてのほんとうのパンクスだった。とくにギタボのなーたんってひとは人間がパンク。ドラムゆきたんってひとは個性派。ベースほのたんは真面目でシャイ。そしてお客さんもパンクだった。まったく悪気がないはずだけど、しゃくにさわる人もいるだろう。でも、あの在り方はパンクスだし、10年前も15年前も。懐かしくなった。きっと30年前のパンクスも似た雰囲気だし、ずっと未来も。音楽やファッションとしてのパンクが流行っても廃っても人間としてのパンクスは絶対にいるし、僕は好きだ。
なにもかも、へたくそなライブだったけれど上手くなる必要があるのかな?と考えた。ぜんぜんそこじゃない気しかしない。
アイデアというか演出面で、たとえば最初にゴキブリをばらまく場面。本物をまいたらそれこそ80年代の焼き直しなので、おもちゃなのは現代的でいいけれど、せめてバケツじゃないかな。黒基調のハコで数匹のゴキブリ投げても目立たないもんね。鮮明な色のバケツに、たっぷりめに用意したほうがいいかなと。あと告知は、チラシ読まずに破いて「どうせテメーら来ねーだろ」って中指立てるくらいでいいかと。
メンバー紹介は良かった。あんなかわいらしいメンバー紹介、男バンドだとビジュアル系くらいしかやらないけれど、本当には誰だって可愛くなっていいはずだよ。ほのたんが「キューティーほのたん!」と言ってポーズを決めたら、それは可愛いを通り越して憧れだった。
今「将来の夢は?」と訊かれたら「ほのたんになりたい」と答えるだろう。
ぼく、おおきくなったらキューティーほのたんに、なるもん!(おおきくなったら=老後)
3、鈴木実貴子
鈴木実貴子について今まで何度も書いてきてるし今日のことは本人にも少し話したから、ここに改めて書くことはなくって、とにかくまだ 観たことがないーなーら 早くみたほうがーいーいーぜ て事だよ。
弾き語りを始めた頃、インパクトあるけど15分くらいで飽きるなー感があった。今は、30分きっちりやっても、もっと聴きたいと思える。
マイクをオフ気味に歌う(叫ぶ)時とオンマイクの時の音量差が気にならなかったのはPAさんが素晴らしいのか壁の反響が良いのか、地声の通りが良いだけか、なんなのか。不思議だった。ロックンロール。
これで届かないひとには届かないから仕方ない て事だよ。
4、the study room
東京からのバンドだったけれど、一曲目でクラブロックンロールっぽいバンドだなー と思った。MCで「ここに憧れてきました」と言ってたのは、お世辞じゃなくてマジだろうなと思えた。演出もアレンジも、間違いが少ないバンドだった。ゆえに教科書みたいで面白くないと感じるかも。間違いといえばラスト3曲から1曲ごとに別れを告げていたことくらいか。「あと3曲やって帰ります。ありがとうございました!」て言うから、あいさつ早いなぁ3曲続けるのかなと思ってたら曲終わりで「あと2曲、ありがとうございました!」って、ここはすぐ次の曲行ったからセーフとしても、その次ラストの曲前で完全に音を止めてMCし始めたから、じゃああいさつこのタイミングだけでいいよ!って、なった。
初の名古屋ライブってことで集客は多分ゼロだったけど、次の名古屋で1人以上にしないといけない。この日、その1人をつかまえられたのか。勝敗のラインは、そこだと思う。
5、ザ・ソファーズ
ちょっと眠すぎて今、急いで書くけれど素敵だった。鍵盤、ベース、ドラム、ギター、そして唄い方。どのアレンジ、音色も良くって、演奏としてこれ以上があるのだとしても僕に言えることはない。
人柄も感じがよくって、ボーカルさんは以前1度お会いしたことがあるけれど覚えていてくれたしドラムさんも僕のライブ観たことあると声をかけてくれた。鍵盤のかたもベースさんも、にこやかに演奏していて人柄が音に顕れるようだった。
弱点かなと思うのは歌詞やメロディの部分で、最後の1曲くらいのクオリティ6曲でライブされたら、やられちゃう!サマーベイビーていう曲も代表曲っぽかったけど、まだ足りないって思った。
ザ・ソファーズが終わって、リセッシュみたいだ、と言ったひとがいる。今夜の混沌を洗い流すように、わだかまりの異臭を消していて、この出順しかないって思えた。1〜3組目を奇跡の並びと言ったひともいた。4、5もこれしかない並びだったのだから、やっぱりロックのブッキングは凄いのかもしれない。なおも、僕以外の誰が得したのかは不明だけれど。
とくに2組目のあくたむしと、4組目のthe study roomは対極だった。あくたむしのファンがthe study roomを好きになったりthe study roomのファンがあくたむしを好きになるとしたら不思議であり、ロックのブッカーさんは「その不思議を目指せ!」と言ってるのだろうか。
近いジャンルで集めないやり方に意図があるとすれば「仲間とばかりつるんでいても拡がらないぞー」という言い分かもしれなく、それにしても今回は難易度が高かった わっ
(語尾に、かわいげ)
the study roomは、メジャーになったり聴いてくれる人を増やしたりという目標を持っていそうなバンドに見えたので難易度高い挑戦も続ける意義があると思う。
あくたむしに関しては、楽しくやっていくためには別にロックのブッキングに出る意義がないと思う。ゴールデンイヤーズ系列のライブハウスといっても今はPUNK色よりもthe study room的なバンドがメインのハコなのだから、そのへんの客層いただくぜ!ていう野望がないなら意義がないと思う。
この日は全バンドにとってアウェーだったけれど、たとえあくたむしのお客さんが30人居たとしても、その他のお客さんとの断絶は埋まるどころか深まる気がする。PUNK周辺だけでも出会いきれないくらい人間は居るのだし、ホームぽい環境でライブしていけば良いのでは。
この日、アウェーにまで切り込んでいけてたバンドはいなかったかもしれないなー。
みっこさんの物販でさえも、あんまり売れてなかったぽいもんなー。(それいけビート森野くんは好きすぎてライブ以外で聴きたくないって言って買わずに帰った)むっずかしいなー。
以上。
-ある夜の記憶/記録-
これらはライブレポートではないし、日記ですらなく
もはや唄のようなものなのではないかと
なかば作品なのかなと認識しはじめている節があり
誰の何を批評しているでもないかもしれなく
強烈なイ−ゴ
※ このブログは セミフィクションです。登場する人物、団体名は実在の人物、団体とは そこそこ関係ありません。 的な。
はみだし者たちよ
すやすや 寝よう

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