美しかったなにかを言葉で表すことは、できない
美しかったなにかを言葉で表そうと思うことは、できる
9/2(日)池袋3-トライ-
「覚えたての呪文」
トップバッター、三角みづ紀
ワンダー作品「いつか来るその日のために」(若干アレンジver.)と自作を。
通常マイクとディレイマイクの2本使いで、ふわーと不思議な空間を紡いだ。
ここから結果3組、続くことになるロウな空気感。その口火を切るかたち。
2番手、イシダユーリ
バックトラックを流して、て…て、て。 と…と、と。 本人、
「慣れない事をすると、事故が起きます、ね」と言ったけれど格好よかった。
身体が、すでに、かっこよい。 意味わかんねーと言いながら
ワンダーのtamatogiと、死や生を主題としたような自作を数編。
3番手、大島健夫
ワンダーとの関係の始まりになった作品「蛇」の続編として「アナコンダ」を朗読。ワンダーがいなくなったあとも世界は続いていく。少年はボクサーになり、減量に苦しみ、見知らぬ人を殴ってでもハンバーガーを喰いたい欲望に小さく勝利する。その頃、恋人は10mのアナコンダと闘っていて。ラストシーンは2人、手を繋ぎながら海へ向かって唐揚げを投げ続ける。
僕は、隣に居るエンヤ兄に「はっきりと、狂っているね」と言った。
美しい、と思えた。「試合には、負けるかもしれないけどね」と言った。
エンヤ兄は、うとうとしていたので、返事がなかった。
休憩を挟んで4番手、ともちゃん9さいとspan
キュートでありながらエッヂの効いた持ち前のミラクルボイスで、モノトーンの会場に一閃のカラフルを挿しいれた。「先生、あのね」「タイム」「銀河鉄道の夜」どれもが生前に、ワンダー&とも9コラボしていた作品で、この日もっともワンダ率の高いアクトだった。
5番手、ジュテーム北村
登場SEの「ポリリズム/Perfume」から場内の熱量を上げといて開口一発「ワンダー。なんで、このジュテさんが、お前のテキスト読まなきゃならないんだよ」で、がっちりロック。そこからは「朝、起きると雨が降ってたんだ」を、音源とは違った調子で朗読。さらにポリリズムの歌詞などもサンプリングしつつドラマチックに展開。「また会おう」珠玉のステージ。
6番手、ぬくみりゑ
世界征服やめた。この海の向こうに。そして数千年後のナニモノカからナニモノカへの手紙、など。派手な演出はないけれど、この日のベストアクトだったとの声もあり、素読みの朗読として1つの究極だったかもしれない。
休憩を挟み、猫道(猫道一家)
多くの機材を操り、ひとりエレクトリカルパレードとも称される(?)その賑やかなスタイルで、「先生、あのね」「海底渋谷区」など。ちょっともう、自分の出番前でよくわからんけど、会場の空気を今一度リフレッシュする効果があったかもしれぬ。
最後に、なぜか最後に、Enya-Sangと鈴木陽一レモン
僕は「素晴らしい世界/chori、今村知晃」をチラリから「エナ」
Enya-Sangは「告げ口」と「エブリ・シング・ユー」
3人で、ワンダートリビュートの「もしもこの世に言葉がなければ」
そして、謎の終わり方へと。
クオリティはさておき、レモンでしか有り得ない終わり方、ではあった
誇ろう。誇るしかない。
出番順は、紆余曲折を経て決まったものだけれど、神の並び!と言った人も居た。
最初の3組と、次の3組、最後の2組と、たしかにパートごと印象が変わっていって、結果的に絶妙だったかも。「なるべく音源通りの順番」を基本とした並びだけれど、音源とは全く違った効果が発生したように思える。
キャリアのあるメンツなのに、なんだか不思議な「感じ」になっていて珍しい貴重な会だった。
どうしてこうなったかを、置いておけば素晴らしいだけの会だろう。
誰かが死んだときだけ唄ってもしょうがない
と思ったこともあったけれど今は
誰かが死んだときくらい唄わなきゃしょうがない
とも思うよ。 だから、やめないぜ。
朗読詩人関係が7割くらいな客層のなかに
不可思議/wonderboyファンのかたも、ちゃんと居てくれて
しかもwonderboyをきっかけに朗読詩人にハマってくれてて。
あたらしいひと、に出会えたことも嬉しかったし
それこそが嬉しいことだった。
ワンダー、悪いが俺たち「先」行くから
まずは今度の土曜!
名古屋リリパ!!
東京が超満員だったから、名古屋も
寂しくないくらいに埋めたいぜー!
わんだー本人も映像で登場するんだからなー
これは観ておいてほしいよなー
あと数日、最後の悪あがきしよっと。

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