驚きと共に、怒りが込み上げた。怒り。
解散に対して怒るくらいに、僕は愛していたのか。
毛皮のマリーズを。
メジャーに行ってからの毛マリは、ぬるかった。
2nd ティン・パン・アレイは聴いてすらいないが
リード曲である「愛のテーマ」は完全にキライだった。
ひどいと思ったし、こんなにひどいならせめて売れてくれと思った。実際、そこそこ売れたみたいだけれど、全てを終わらせるには早すぎるだろう。まだ、なんにも成し遂げちゃいないよ。ラストライブは武道館らしいけれど、それでゴールかよ。かっこわるいと思う。
妄想話をさせてもらうけれど
本人・毛皮ズ志磨遼平だって、ぬるいなーと思ってたに違いない。
ティン・パン・アレイがバンドの音じゃなかったから、次はバンドでアルバムを作ろう!ってのは本人が言ったことだ。それで、2nd のツアーではアルバムの曲をやらずに、インディーズ時代のナンバーだけで初期衝動的ライブをやったと。でも、満足できなかったと。
3rd「The END」も、結局はポップよりなサウンド中心のアルバムになったと。
毛皮のマリーズは、バンドとしての役割を終えたのかな。
これは敗北的な終わりだと感じる。ゆらゆら帝国や、BJCの終わり方に「やりきった感」を見出すならば、今回のマリーズ解散には「やれなくなった感」が漂っている。
ぬるくってもいいし、バンドのイメージはころころ変わってもいいから、もっと大成功してデカいステージで、もっとめちゃくちゃをして欲しかったんだよ。
志磨は、このバンドにドキドキできなくなっちゃったのかな。
ソロになるのかな。まじ興味ないよ。志磨ソロなんて。4人が好きだ。
熱心なファンたちは、ラジオから流れる志磨の発表に耳を傾けた。
僕らは、きっと大丈夫だって信じていた。哀しみのアルバムというテーマを表すために、一時的に解散を匂わせているだけだって。でも、志磨は、はっきりと2度繰り返したんだ。
「毛皮のマリーズは解散します。」
もう洒落になってないから。
まだ今だって、熱心なファンたちは「ラストライブは12月5日なのに、ホームページのカウントダウンの数字が0になる日を計算するとクリスマスだ!復活するんだ!名前表記が変わるだけです、とか!」って言ったりしてるけれど、そうだとして、それ格好良くないよ。悪趣味だと思う。哀しみを表現するなら、CD1枚の中で完結させてくれ。悪趣味でもいいけど、格好悪いのはダメだよ。ロックンロールバンドなのに。ここまで散らかして、解散しないなんてなったら、どう落とし前をつけるんだろう。静かに消えてくれたほうが、まだマシだろうよ。
ひとつだけ、ひょっとして、こうであったら救いだな。っていう妄想があるのだけれど。
ひょっとして志磨じゃなくて、メンバーの誰かが、なんらかの事情でバンドを続けられなくなって、残りのメンバーで続けて!とかいう状況になって、志磨は「いや…この4人でなきゃ、だめだ。」と譲らなくて、解散。。。とか。
「解散の理由」が、まだ発表されてないのが気になるんだよね。
もし志磨の問題だったら、あのひとすぐにあやまりそうな気がするもの。「僕のわがままで、解散します。全て、僕の判断です。」とかって。理由を語らないのは、他に理由があるから…だといいな。せめてせめて。
メジャーデビューしてすぐのライブを観に行って、いまいちだなあーって思って、10年後の毛皮ズを見てみたいなーって思った。この4人の、未来を、また見たいなって。
その願いは、まだ破られてはいない、と思っている。
バンドは続けることで魅力が出てくるものだけれど、いくら間が空いても「休止」だの「解散」だの言ったって、本当のバンドは、始まっちゃったら死ぬまで、なんなら死んでもバンドであり続けると思う。10年後の、毛皮のマリーズに、僕は期待し続ける。

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