平成16年(2004年)から、日本とフランス、米国、英国、オーストラリアの5カ国の相互間で、租税条約が一部変更になりました。これにより条約締結国の非居住者が、日本で音楽著作権の収入を得た場合、その所得に対して、両国税務署に、著作権者が所得税を支払う必要がなくなりました。所得税が免除となります。
たとえば米国の居住者(作家個人)が免税を希望する場合、以下の4点の書類が必要となります。
1.「租税条約に関する届出書」
2.「FORM8802」と呼ばれる、居住者証明(IRSと呼ばれる米国現地機関が発行)
3.「特典条項に関する付表(米)」
4.支払い者と納税義務者の間の契約書(実際には英語書類ですので、その主要内容の和訳を添付)
言い換えれば、音楽出版社(源泉税支払担当者)と作家(納税者)の間に交わされた著作権契約書
以上、4点を出版社が日本の税務署に提出し、承認を得た後、米国に送金すれば、納税義務は、3年間にわたり、免除となります。
通常、JASRACからの分配は、年4回ですので、4×3で12回分の作家の所得が非課税となることになります。
送金後にすべての4書類が完全に提出できない(たとえばFORM8802を、送金日から1ヶ月たっても日本の税務署に、なんらかの理由で提出できない)場合、「源泉所得税の延滞」とみなされ重加算税20%が、出版社に課されることになります。
(2011年3月現在。個々の案件については地域の税務署にお問い合わせをお願いします。)

0