2021年の介護保険改正に向けて社会保障審議会等で議論が深まっている項目のひとつに、「要介護1と2を介護保険の対象から外し、日常生活支援総合事業(以下、総合事業)に移行させるか否か」があります。現在、介護認定を受けている者は約700万人、そのうち介護サービスを利用している者は約650万人います。内訳では、要支援者が150万人、要介護1.2が250万人、要介護3,4,5が250万人です。仮に、要介護1.2が総合事業になったら、介護保険を利用している者の半数以上を保険の対象から外ずれるということです。利用者の自己負担を原則2割とすることやケアプランを有料化も議論されています。
介護保険制度では認定者は、ケアマネのプランがないと保険料金でサービスを受けることができません。一方、総合事業の場合、基本チェックリストという25項目の簡単な問診票でスクリーニングします。該当されると事業対象者として予防サービスが利用できます。事業対象者は、居宅介護支援事業者のケアプランを外して、簡単な計画を無料で地域包括支援センターに作らせるのでしょう。2021年の第8期介護保険事業計画では、軽度者の認定を完全になくし、基本チェックリストだけで事業対象者になります。これは介護保険の費用面では大きく、要介護認定の費用で1回2万円ぐらいかかっているため、もし要介護1,2も認定がなくなると400万人の認定作業がなくなり年間、数千億円の経費削減になります。実際、私も要支援者は介護認定が必要ないと考えています。これが軽度者外しの本丸かもしれません。

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