平成30年度より、鍼灸師が機能訓練指導員のいるデイサービスで6か月以上働けば、「機能訓練指導員」になることができます。しかし「機能訓練指導員」になるため現在の仕事を辞めてデイサービス等で介護職員として6か月以上働く必要があり、これは鍼灸師には想像以上にハードルが高く、実際、そのような条件の良いデイサービスは近隣に少ないのが現状です。また、何かの事情で仕事が合わなかったときに退職する鍼灸師のリスクも大きく、このままでは鍼灸師が機能訓練指導員になれる、チャンスを生かすことができません。「機能訓練認定鍼灸師養成講座」は通信教育と指定事業者による信頼できる現場実習などでしっかりまなぶことができます。今の仕事を続けながら、機能訓練指導員とはどういうものを学ぶのが「機能訓練認定鍼灸師養成講座」です。6か月後には機能訓練指導員として実務経験証明書と認定証が発行されます。私たち団体は全国に機能訓練特化型デイサービスを経営している鍼灸師や柔道整復師の会員が多数います。私たちがスキルの高い「鍼灸師の機能訓練指導員」を養成します。
機能訓練指導員は慢性的な求人難であります。介護事業所は「機能訓練指導員」を人員配置する義務があります。全国には特別養護老人ホームが約1万事業所、有料老人ホームが約1万事業所、デイサービスが約2万3千事業所、地域密着型デイサービスが約2万事業所、合計6万ヵ所の介護事業所に「機能訓練指導員」の配置義務があります。しかし、機能訓練指導員の対象資格の65%は看護師の非常勤、兼務であり、専門職である理学療法士10%、作業療法士10%、柔道整復師10%しか働いていません。個別機能訓練加算を算定している事業所はわずか40%です。その理由として「機能訓練指導員を常勤・専従で配置することが難しい」と答えた事業所が85%でありました(厚生労働省HP)。国は介護予防を強化するために介護事業者にインセンティブを強化すると明言しています。デイサービスを対象に日常生活動作(ADL)の維持または改善度合いに応じて介護報酬を加算します。介護行政が介護予防・フレイル予防を軸に進められます。その中心になる職種が「機能訓練指導員」です。30年度に鍼灸師が「能訓練指導員」なれたのも、介護事業所に常勤・専従の「機能訓練指導員」を配置するという国の方針があったからです。2025年には、介護職員が35万人不足するとの推計があり、国は外国人労働者を5年で30万人以上受け入れるとしています。しかし、「機能訓練指導員」は外国人に補うことができません。今後、介護業界には数万人の機能訓練指導員が不足する深刻な事態になると推計されます。
一方で全国には12万人以上の鍼灸師がいますが、鍼灸業務をしてない鍼灸師有資格者が多数います。多くの鍼灸師有資格者が「機能訓練指導員」として新たな分野に転職できること期待しています。

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