先日も紹介した
「子どもにスポーツをさせるな」
の感想の続きです。
『今スポーツ界は「勝てばいい」「儲かればいい」「目立てばいい」、そんな価値観に支配され、毒されてしまっている。子どもにスポーツをさせたい親の大半もこれに乗っかって、「勝ってほしい」「儲けてほしい」「目立ってほしい」、が先に立っていはいないだろうか。これだけに日常的にメディアが「勝利・商売・スタンドプレー」を肯定的に報道すれば、「それが本来の趣旨から外れているのではないか」と冷静に考える親たちもまれになるのは仕方がない。』
『ジュニアゴルフの指導もしているという若いゴルファーと会話をしながらラウンドする中で、ジュニアゴルフの一側面を彼が教えてくれた。「熱心な親たちは、大会の時などクラブハウスで待っていて、自分の子供のスコアが悪いと厳しく怒るんです。子どもたちの中には、親に怒られるのが嫌であるいは親をガッカリさせるたくないばかりに、スコアを改ざんしてしまう選手が残念ながらいるんです。林の中に打ち込んだ時など、周りにだれもいなければボールをそっと動かす子供もいる。これが深刻な問題なのです。」』
普段サッカーの指導をしていると、他の競技の指導がどんなものなのか、本質を見失っていることはないのかという事はなかなかわからない。
この本でも現代スポーツの毒されているところだけをクローズアップしているわけではなく、きちんと本質を忘れずに指導しているし指導者も紹介している。
しかし、現実問題として毒されている部分が多いという事は正直多いと常々感じているのも事実。
ご父兄に対しての不平不満という事ではなく、気づいていないこと、忘れている事に対する警鐘のようなものとして受け取っていただきたいのだが、我々がサッカーというスポーツを指導しているのは、金儲けや目立つためではない。
チームや指導者としてのステイタスのためでもない。
サッカーという素晴らしスポーツをすることで、仲間に対する思いやり、いろいろな人とのかかわりにおいて感謝する気持ち、リスペクトする気持ちを育むことができるからやっているのであって、決して自分の欲を満たすためではない。(選手の成長が喜びという部分では欲を満たしているのかもしれないが)
サッカーという競技は対戦相手や見方の気持ちを考えること抜きではできない競技である。
団体競技であるから役割分担があり、自分勝手な行動が許されないケースも多くある。
チームにとって、ゲームに出ている時だけが役割かと言えば決してそうではない。
ベンチでゲームに出ないことがあっても大切な役割はたくさんある。
外からの指示だったり、応援だったりという事も大切な仕事。
ゲームに出ないときこそ大切なことを学ぶことができるケースもある。
応援するご父兄からすれば自分の子供が出ないゲームは面白くないかもしれない。
自分の子供が出て目立ってくれることで欲を満たしてくれるかもしれない。
けど、ゲームに出ないでベンチで役割を果たしているほうが人間として成長するチャンスであるという事も理解してほしい。
この本では我々が感じていることを代弁してくれている部分が多く感じることができたので是非ご父兄の皆さんにも読んでいただきたい。
昨日の低学年の練習には6年生のフウガが弟のケイトを送ってきて、一緒に練習を手伝ってくれた。
ほかの保育園の子などの面倒も見てくれて非常に助かった。
小さい子の面倒をみるなんていう事は、本来当たり前のこと。
けど、残念だがそのあたりがなかなかできない子が増えてきている。
我々のように、小さい小学校を母体として活動しているチームは、チームの活動を通じてこういったこともできるようになってもらえるということも重要。
フウガは違うチームに所属しているが、うちの選手のみんなも見習っててほしいものだ。
夜はAganoの阿部さんと、富曽亀の金子さんと
「ときめきリーグおやじフェスティバル」
を開催。(情報交換を兼ねた飲み会ですね)
みなさん真剣に選手のことを考えていらっしゃる方。
本質を見失っていない。
白熱した会話の内容は、
「子どもにスポーツをさせるな」
と相通じるものが多かった。
約4時間、結構ハイペースで呑み続けた割に目覚めが良かったのは充実した話ができた証拠か。(たんに酒飲みなだけだが。)
サッカーをしていたおかげでこういった飲み会も経験できる。
より良い人と人とのつながりを構築してくれる、より良いつながりで人間として成長し続けることができる、そういったこともサッカーの持つ力であると思う。
サッカーをやっていさえいれば人間として成長できるとは思わない。
ただ、サッカーという競技はそういった要素を多く持っているスポーツであると信じている。
世の中が、サッカーの持っている力を少し違う方向にもっていきがちだが、我々は決して方向性を見失うことなく、正しく取り扱っていくつもりだ。
幸せなことに、私の周りには本質を見失わず、ブレずに指導している方がたくさんいる。
そういった方々との交流を今後も続け、大切なことを子どもたちに伝えていきたい。
二日酔いだがそう思う。
二日酔いだからこそそう思う。
気分がいいから今夜も飲もう。

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