先日紹介しました、
100分de名著
西田幾多郎の「善の研究」(若松英輔著)の57ページから60ページにかけて、引用しますと。
神は、すべての人間を救おうとするはたらきのこと。
「利己」はなく、徹底的な
「利他」があり、
「私心」はなく、透徹した
「無私」があるのみ。
善の定義
近代では「個」が尊重され、「私流」に生きるのがよしとされました。
それ以前は、「個」が束縛され、不自由を強制されていたのです。
国、宗教、共同体などが「個」であろうとすることを阻害していました。
「個」の自由、これは社会的な出来事としては、大変重要な、革命的な出来事でした。
しかし、「個」で生きることに慣れた私たちは、
他者とのつながりを忘れがちになっていることも否めません。
社会生活における「個」と、
他者と共にある「個」は両立し得ます。
この二つの「個」が共に開化することが、
西田がいう「善」なのです。
以上です。
2つの個とは、自由であると同時に、民主でもある。
経済と道徳は両立するということです。
ユダヤ教の神・ヤハヴェは、奴隷だったユダヤ人のための神であり、
奴隷生活から脱出させるための神だったのではないでしょうか。
奴隷を脱出できたその後にある、
いろんな民族と共に世界をつくっていくという視点が抜け落ちているような気がします。
神は、すべての人間を救おうとするはたらきであって、
固有の民族だけを救うものではない。

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