今から何年前になるかな。
ぼくが大学2年生のとき、
甲東園から西宮北口。大阪梅田へと神戸線に乗り換えました。
電車が動きだしたときのことです。
「あしたのジョー」の
丹下だん平のような酔っ払いがぼくのほうに近づいてきました。
「にいちゃん、どこ行くねん」としつこく聞かれ、3回目のとき、だん平の口からヨダレがぽつり。
ぼくのチノパンの右ひざに落ちました。
その瞬間、右ひざの上に、白いハンカチ。
「これ、使ってください」と見れば、
三田よしこさんのような女子高生でした。
だん平はこんど、よしこにつっかかりました。
が、よしこさんはうまく対応し、難を逃れました。
だん平は次の駅で、よしこさんは
武庫之荘で下りていきました。
ぼくの手には白いハンカチが残りました。
次の週、確か木曜日の17時くらいの西宮北口神戸線。
洗濯した白いハンカチと、阪急百貨店で買ったハンカチをもち、待っていました。
その次の週も。が、よしこさんは現れませんでした。
もし今、この事件を新聞に出しても、よしこさんが目の前に現れることはないと思いますが、事件のことはしっかりと覚えておられると思います。
沁みるねェ。

ミヤコ蝶々さんと三田よしこ

1