
「海難1890」という映画、視ましたか。
「新聞という病(門田隆将著)」152ページに、心温まる話が載ってましたので、ちょっと紹介します。
テレビでよく取り上げられてますが、
トルコは日本が大好きだそうです。
それは、今から130年前、トルコの軍艦「エルトゥールル号」が和歌山県沖で、遭難。
約600人のトルコの方が亡くなりましたが、69人の方が無事トルコに帰ることができたという話。
和歌山県の人たちが、必死でトルコの人を介抱し、日本の軍艦「金剛」「比叡」で、トルコまで送り届けたのです。
この69人のトルコ人が、日本人が自分たちにやってくれたことをトルコ母国で伝えました。
それから95年後、
イラン・イラク戦争時、フセイン大統領がイラン上空を「戦争空域」指定。イラン領空を飛ぶものは
軍用・民間を問わず、すべて撃墜すると宣言しました。
テヘラン駐在の外国人はパニック。
欧米各国は救援機を派遣し自国民を救出にあたりました。が、
日本だけが国内の事情で、救援機は来なかったのです。
そのとき、
伊藤忠の森永イスタンブール所長は、トルコのオザル首相に頼み込み、トルコ航空の救援機が日本人を救ったのです。
ちなみに、伊藤忠は
「三方よし」近江商人の会社です。
トルコ航空のパイロットやスチュワーデスが戦下のテヘランに「志願」して飛ぶ。スチュワーデスには妊婦の方もいらしたとか。
「エルトゥールル号」の恩義を返すのだと、妊婦の事実を隠し、飛んでいったとか。涙の出る話です。
一方、日本では、
自衛隊で働いている自分の子が戦地に行って死ぬのはイヤと、
自国が窮地なのにだれも助けに行かない日本。
現場にいた
他国のボランティアは「なんで日本はお金があるのに、救援機が来ないのか。もっと貧乏な国もきてるじゃないか」と叫んでいたそうです。
西田幾多郎の「善の世界」に、
https://yellow.ap.teacup.com/thinkmon/4008.html
社会生活における「個」と、
他者と共にある「個」は両立し得ます。
この二つの「個」が共に開化することが、西田がいう「善」なのです。
他者と共にある「個」
他人をわが事のように考える「個」が欠如しているということ。

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