100分de名著「善の研究(西田幾多郎著)」若松英輔著
西田幾多郎の「善の研究」という本にチャレンジしたことがありました。
難解な内容で、ギブアップ。
今回は、若松英輔氏の「善の研究」の解説書を読み、なるほどと納得してしまいました。
西田幾多郎の「善の研究」は
これからの世界に必須の内容だと思いますよ。
1章には
「愛知」のことが書いてありました。(31べージから34ページ)
愛知県の人は、愛知の意味をご存知でしょうか。
「知る」と「愛する」という営みは、自分と対象が一つになろうとするとき、共に動き始めるもの。
今の日本も世界も、
「知」だけに偏った社会ではないでしょうか。
「知識」「学問」「科学的」といったちからは、しばしば人を迷路に導きます。
「知」のちからだけに頼るとき人は、
自分が万能であるかのように思い込む。
そうした迷いから私たちを救いだしてくれるのが
「愛」のちから。
文字は単なる記号に過ぎません。
しかし、そこに
「いのち」を感じるとき、それは
私たちの心に火を灯す。
こんな内容が書かれていました。
自分と対象が一つになることで感動できるのです。美しい花をみて涙を流すのです。
対象が自分の子であれば、この
「主客合一」は理解しやすいでしょう。
相手のことを我がごとのように考える。愛で包み込むことができるようになる。
本だけ読む、知識偏重人には、この感覚が欠けている。
主客合一できない人にとって、他人は「非人格的対象」
つまり、同じ血が流れている人間と思わない。
日本は原爆を落とされました。
落とした人たちは、同じ血が流れている人間と思わなかったのでしょう。
ユダヤ教のヤハヴェは、ユダヤ教徒だけを救うそうですが、
他教徒は「非人格的対象」とみているのでしょう。
つまり、人とは考えない。動物と考える。
ヤハヴェは唯一神とはいえないのではないでしょうか。

「知」だけではダメ、「愛」と「知」がひとつになって、世界はよくなるのです。
この本はおすすめ本です。

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