今の世、なんで不況から脱出できないか。
損益計算書(P/L)から、だいたいのところを見ていきましょう。
売上から仕入を引いたのが、粗利益。
これが一番大切なんです。
粗利益がなければ、企業はやっていけません。従業員の給料は払えません。
「価格破壊」という競争は、競争相手の粗利益をゼロにして、会社を潰してしまおうというものなんです。
アマゾンに出入りするメーカーからの話ですが、
アマゾンは「売上から仕入を引いた額はゼロでいい。業者からの協賛金があればいい」と。
ゼロを続けていくと、競争相手は潰れていきます。
競争相手がなくなれば、天下がとれる。
消費者は安ければ安いほど喜びます。
仕入れ価格と同じ売価なら、一番喜びます。
アマゾンが支持される理由はここにあるのです。
が、売上と仕入の差額で経営を成り立たせている人たちは路頭に迷う。
「価格ランキング」という手法で、粗利益ゼロでないと売れなくなってしまった仕組み。
さらに、
関税ゼロで海外から極端に安い商品が入ってくれば、当然国内メーカーは潰れます。
粗利益ゼロで追いつめられた会社は、
もうひとつの敵、
株主からの要求で辟易しています。
株主の取り分は、損益計算書の一番下、つまり、粗利益から給料や銀行への利息、税金を引いた
純利益から払われます。
株主は、純利益が多くなるよう、
従業員をリストラしろと要求してきます。
粗利益ゼロなら、どこで利益をだすか。
メーカーがコマーシャルペーパーで貸し付けしたり、銀行になったり。
潰れそうな会社を二束三文で買い上げ、またその会社を売ることで利益を上げています。
営業利益から上が
本業。下は
本業以外。
本業以外で会社を経営するから、実態経済と離れていくとは、このことをさすのです。
会社の利益を、まじめに働いている
従業員に使うか、
「クビきれ」と大合唱する
株主に使うのか。
株主のなかでも、会社を育てようと株を買ってくださる方は大切な株主。
常連さん。
自分の取り分を増やすため、
「クビキレ」という株主は、一坪地主や
一見さん。
「人のことを考えるな。自分のことだけを考えろ」というユダヤ的な考えが多くなったから、こういうことになったのでしょう。

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