小室直樹著「政治無知が日本を滅ぼす」という本を読んでみました。
国から個人へとシフトし過ぎの政策。極端な「個人」へならないためにも、最終章の
「近代デモクラシーの政治倫理を理解せよ」は読んでおくべきですよ。
272ページに、近代国家と個人倫理の対比がありました。
近代国家 公的 外面的 形式 法
個人倫理 私的 内面的 内容 道徳 良心 宗教
「政治の倫理」と「個人の倫理」は別物と指摘。
個人の良心をそのまま政治に持ち込んで判断してはならないと。
そりゃそうですね。
政治目的は「最大多数の最大幸福」がメインですから。
7割が賛成し、3割が反対。
3割はすばらしい良心をもっていたとしても、世捨て人的な考えではダメ。
政治家は「最大多数の最大幸福」でやっていくのですから、3割の人には嫌われるのですよ。
そんなことでクヨクヨするのではなく、平然とやっていかないと最大多数が幸福はなりたたない。
288ページ
近代デモクラシーにおいては、法的な最終決定は裁判官にあり、
政治的な最終決定権は選挙民にある。そして倫理的な最終決定は、自分自身にある。
政治家は選挙民が当選させてくれる限り、堂々とやれということなんですね。
277ページ
近世においてはじめて国家の
「権力衝動」は肯定された。
近代資本主義社会においてはじめて
「利潤追求の衝動」が肯定された。
が、ただガムシャラにこれを追求してよいというわけではない。
資本主義の「利潤追求」は近代になって認められましたが、
これが
最大多数の幸福になっていなくてはならないのですよ。
一部の人だけが大金持ちになって、その他大勢が貧乏の世の中はおかしいのですよ。
歴史的に
ユダヤ人は統治するより、
統治される側の論理。
個人の考えが主となっています。
政治の論理と個人の論理のバランスをとらないといけない。
異常なほどの個人情報管理もおかしいね。
世の中が見えてきませんか。


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