今日も
「強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書) 神谷秀樹著」です。
3章に
「今日の儲けは僕のもの、明日の損は君のもの」から書きます。
先日、日本企業はウォール街に資産運用を頼んで大損と書きました。
77ページに具体的に書いてありました。
みずほ銀行や
野村証券です。
みずほ銀行は、
アレクサンダー・リケータというトレーダーを雇い、
6千億円損したそうです。
野村証券は、
イーセン・ペナ。
イーセンの報酬は100億円超。野村証券の損は5千億円。
彼らは、10人ほどの部下を連れ一緒に雇えと迫ってきます。
彼らは
自分たちの報酬がいかにアップするかだけを考えています。
雇ってくれた会社は自分たちが雇われているときだけ利益がでればよく、離れた後のことはどうでもいい。
個人主義、自己中心主義の権化だそうです。
野村証券とイーセンがばらまいた証券で、世界中の人たちが大損しました。
イーセンは100億円超の収入を得、世界中の人たちが苦しんでいるというのに、ぬくぬくと暮らし続けているとか。
ウォール街では、こういったモラル低下が蔓延。
会社は株主のもので、株主のために働くという考えが根底にあるそうですが、
こういったトレーダーに騙され、株主も大損しているそうです。(142ページ2から4行目)
「会社は株主のもの」という考えも、自分の思い通りに世の中を動かすための詭弁ではないでしょうか。
日本人は「会社はみなのもの」と考えます。これが正しいのですよ。
トレーダーたちは、会社のためには働きません。自分の儲けのために働く。
こういった人たち相手では、バランスシート貸し出し業の運用は失敗するのですよ。
ウォ―ル街には著者含め、真面目に運用する人もいることでしょう。
が、大半が自分のためにひと山あてたい人なのではないでしょうか。
彼らにとって、みずほも野村もいい
鴨だったのでしょう。
真面目に働く人がバカをみる社会。騙しの社会。こういう価値観が国をダメにするのですよ。

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