京都の女酒・
西宮の男酒
「京都人だけが知っている」という本を読んでいましたら、
著者の入江さんは京都人で、
京都のお国自慢のような内容ばかりで、
ちょっとうんざりしていたんですが。。。
「水」という章に、
西宮の「宮水は最高級」とありました。
神戸「灘の酒」は有名ですが、そのお酒は西宮でしかとれない「宮水」が使われているそうです。
ちょっと引用します(74ページ)と、
「銘醸地に名水」は 京都伏見の「伏水」と灘の「宮水」を指している。
始まりは灘。神戸魚崎と西宮に酒蔵を持っていた酒造家が原料米も醸造法も同じなのに、
西宮の酒のほうがいつも優れているので、西宮の水を魚崎に運んで仕込んだら美酒になつたので大量輸送を断行したことに起因。
この二つの名水の特徴は鉄分が0.01ppm以下と極端に少ないこと。鉄やマンガンは酒の着色や香味の劣化の原因となるので理に適っている。一般的に美味しい水というと軟水の印象があるが、程よいミネラルが必須なのだ。地下水が通過する地層によってバランスは変わってくるし、その違いが酒の個性を産む。14度以上が硬水、8度程度が中硬水、3以下が軟水となる。水が柔らかいと発行に時間がかかり、そのため酒は酸が少ない滑らかできめ細かい円やかな風味になる。酵母の栄養源となるミネラルが多い硬水は発行期間が短く、辛口の酒になりやすい。伏水は前者、宮水は後者だ。
伏見の「女酒」 灘の「男酒」なる表現はここから生まれた。 以上


2