Great Roses _Ms.Rose
watercolor on paper 2016 (660 x 505mm)
© Takeshi Nakatani
この Ms.Rose という絵はご覧の通りこのバタフライローズってブランドのデビューを唱うメインビジュアルに今回描き起こした水彩画です。先にも記しましたが、メディア(TVに雑誌など)で嫌になるほど唱われてる「アンチエイジング」。そのほとんどが芸能人をスタンダードに例えに上げてのエステやコスメティックに健康食品の販売。
これ、ちょっと違うなあと思うんです。加齢や老いをネガティブに踏まえず、年齢を重ねることでしか生まれない深みこそホンモノの美しさじゃないのって。
それもまた美だと。誕生、成長、成熟、加齢から老化、そして無への回帰。変化することこそ美の本質、それはそういう精神とセットであるものだと。
それを堂々と絵にしてみたいなあと想って取り組んだのがこの水彩画です。この絵に宿したそういう気持ちがこのバタフライローズというブランドのビジョンにも通じています。女性の美を見つめるとき、そのようなベクトルでありたいと望みます。
これはボクのネガティヴ表現でない、ポジティブな感情でワクワクしながら描き上げた一点です。堂々と年齢を重ねた薔薇だけが持ち合わせる美。そういう意識を皆さんと共有出来ないものか?というこのブランドの挑戦でもあるのです。
自分の拵えたモノがどのように皆さんのこころに届くか?この問いは表現をする側にとっては永遠のテーマ。作り手の想いは先に述べましたが、受け手の皆さんの感情は操作出来ません。
生きていることは変化。生きていることの不思議、そして加齢万歳。
年齢を重ねることでの深み、それもまた美しきこと。
誕生から成長そして加齢。美という変化を楽しく肯定的に、そして普遍的に。
加齢に対してポジティブに堂々としてること、それは幼きこと若さから紡がれた今ということ。
シワに薬品成分を流布することで出来上がる屍蝋のような肌?美しさとはシワ延ばしに非ず。
若さを無くさないこととは、若さを偽装することに非ず。
作り手も見る方も、表現しまた表現されたものを見るという行為は、それぞれ自分の心の中を覗く行為でもあるとも思っています。また皆さんのご意見に感想なども頂ければ幸いに存じます。長々失礼しました。

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