ヘンテコな観光客 _01 / 到着編
我々 EMELON で提供のデザイン古民家の一棟貸し「たらちね」、楽しく稼働してる。ゲストは欧米や東南アジアからの外国人がほとんど、世界の一部分の人達だがそこから彼らの住む国や、そんな世界の様々を垣間見せられ、考えさせられることも多々ある。もうホント伊勢なんて小さな地方都市にそういう珍獣が紛れ込むわけだから、笑かすことも困ったことも同時に起る。そんなこんなをここでは事象分けして記すことで教訓とし、対策を考えたりもして行こうと思う。皆さんのご意見もぜひ聞きたい、私の所はこうしているとか(笑)
まず第一回は到着編。これは何度か起きてるが最強版が昨夜起った。到着ゲストとのやり取りや check in 時の説明は主に相棒のゆきに任せてる。女性だしボクが出るよりやっぱり感じがいいしね、なのでボクはそれらや部屋掃除以外の屋内の設えや庭の雑草引きなど下男役を勤めておる。しかしこういう業務において、このような裏方は施設稼働の重要な裏方である。老舗名旅館などにはこういう仕事の名人がいることを皆さんにも知って欲しい。いかんいかん、今日は自分の仕事自慢ではなかった・・・
昨夜のゲストは学生のような若い男女22の四名 from 上海、奈良から夕方5時頃到着予定を聞いていてゆきがモナリザで待機してた。簡単な連絡があり9時になると言って来た。こちらに対し忖度の感じられない連絡態度に懐疑心が沸いて来た。「大丈夫か、コイツら?」よくあるでしょ、銀座の高級鮨屋を予約しておきながらの直前ドタキャンとかがアタマをよぎったのだ。で、ゆきにだけ任すのも酷に思ったので、二人して彼らのご到着を待った。
伊勢市駅に着いたとメールがきたが、そこからがまた長かった。40分は経過した頃、店頭を何度も行き来するタクシーの運ちゃんがやっとこさで我々の前に現れた。「いやー、困ったわ。スマホ見せられるだけで、中国語やしチンプンカンプンやし」
で、十時頃やっとこさ check in 完了。今晩から二泊三日の伊勢観光のスタートだ、その本編は今晩の宮川花火大会らしい。中の一人の軽薄な兄ちゃんが、明日はフェスティバルなんだろと聞くから、ああまあなファイアワークスだな、半時間ほど歩かないとならんがなと脅したら眼をむいて絶句してた。またタクシーで行くつもりでいたみたいだな(笑)
今日特に記したいのは、そんな彼らの荷物のどでかさだ。巨大極まるトランクを転がしてやってくる、そんな重装備だから駅から歩いても全然な距離にも関わらずタクシーを利用する。四人でタクシー二台だよ、荷物が人間およそ二人分だ、クレイジー極まる思う。何でも、大きなトランクで出国するのが本土でのステータスにも繋がるらしい。女の荷には、ハイヒール・ミドルヒール・ローヒール・ペタンコ靴に雨靴などなど、スターかセレブじゃあるまいし、それだけで大層なものだろう。後は買い物した品々で埋まるんだろうね、きっと。
この間 facebook に各国生活豊指数みたいなのが出てて二位がアメリカだったけれど、一桁に北欧の諸国がほとんど入ってた。日本は二十位後半でだった。たらちね、北欧のゲストも多いのね。彼ら見てるとうなずけるのね、スマート(賢く)気張らず、ホントに自分達に大事なモノゴトにマネーかけるんだよね。他国の歴史に文化、デザインやアートなども楽しむ術をよく分かってるし、均整のとれた豊かさの中で日々暮らしたり旅に出たりしてると思う。彼らは今回の中国本土の方々とかとはやっぱり少し違うよね。
そして今や日本の経済が豊かだなんて、30年も前に終わった幻想だと思う。ここにあるのはハッタリの豊かさ?
日本それは、たらちねにステイする今回のようなゲストしたらば、今や物価が安く、まあまあ質の高いフードに家電に化粧品に洋服などが安く手に入れられるお得で、スマイルおもてなし付きなカントリーなのだ。ホント、おめでたい国だと思う。少し前までは欧米の有名国の物価の高さが異常と思ってたがどっこい、日本の物価の安さの方が世界規模じゃ驚きなんだよきっと。東京でさえ例外でなくね。
最後にこの違いはあるよね tourist と traveller
前者は見て回る人、物資を漁りそれらを自国にを持ち帰ることで自己を幸福化したい人。
後者は苦労して旅をし、未だ定まらぬ自分の居場所を捜し彷徨う人。
たらちねには両方のパターンのゲストが訪れる、ボクたちはもちろん後者にフォーカスしたサービスを育んでる。しかしそれの確立のために前者からも学び、サービスを提供し換金もすることでバランスも計り、この事業の楽しい継続と挑戦に結べればと考えている。
PS 30年前日本の経済が豊幻想だったころ、やっぱり海外へ出向いた日本人観光客もヘンテコな社長さんオンパレードだったもんね。コレからは北欧人に習わないと駄目あるよ。

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