1984年NYに渡る前に、吹上JR踏切前のコワフィール千代(美容室)に壁画を描きました。あいにく手元に画像がありませんが、それは落書きグラフティー・ペインティングそのものでした。覚えてる方も結構いるのではないでしょうか。先日その依頼者であったN氏からtelがあり、そろそろ新しいのを描いてみるかい?ということでした。彼とは久しぶりのお仕事でもあり、快諾しました。
上の画像がその現場の今。ここへの壁画制作になります。
ここ数週間で、アタマの中にそのコンセプトとともに下絵が出来ました。さて寒くならないうちに仕上げにかかろうと思っています。野外の壁画はそう何度も描き上げたことはありませんが、ビルそしてその壁という媒体はいつものキャンバスや紙や屋内のそれとは大いに異なります。今回の制作のためのアタマは下記のようにまとめましたので記してみます。その細部やネタをバラしてしまうわけには行きませんが、僕の仕事の取り組み方のサンプルとして楽しんでもらえれば幸いです。
@普段の絵とは違い、その絵が外や往来でもって皆さんとシェア出来る僕の仕事であること。僕自身の想いだけで完結してなく、依頼者のNさんへの敬意を楽しさでもって表現できるもの。
A伊勢であること。観光の人々も多く往来し、外宮へのアプローチの行程にある道であること。旅人にも「伊勢ってユニーク」って想いを喚起させるもの。
B広告宣伝、自社の商いの表現に止まらないこと。それのもっと向うにアプローチしながらおもしろい伊勢の街角表現の一部に成り得るもの。
などの課題を自身このプロジェクトに課しました。しかし、はなから堅苦しくアカデミックな表現などしても詰まりません。僕は壁画の醍醐味は落書きであること、それは匿名的な小さな悪事で真面目にやらないけれどユーモアが宿るいたずら描きであることを自分の中に設定し、例えば観光の人々に鑑賞してもらうのは大いにウエルカムなんだけれど、おもてなしが甘やかしな表現にならずにちょっとした挑戦や提示でありたいこと。こんな感じでさていよいよ現場での本制作です。
ここでお願いがひとつ、高さ5メートルはある苦手な高所での作業です。足場を組む予算は無く、電気屋のTくんに梯子を借りて来てやっちゃうつもりです。誰か助手としてヘルプをお願い出来ないでしょうか。下で梯子を押さえてくれたりの簡単な作業です。時間もさほどかからないと思います、僕仕事早いですから。もし万が一僕が梯子から転落した際には速やかに救急に連絡することを怠らないような活発なヘルパーを求みます。これは、ボランティアだとお考え下さい、打ち上げの際に少々の飲み食いのヘルプくらいは出来ればいいなあとは思っていますが。助手は無理だという方も野次馬大いに歓迎です、応援にお越しください。難しい顔して制作するつもりは毛頭ありませんから。
この金土日のうち天候を選んで1日ないし2日で描き上げるつもりです。では、仕上がりもまた報告しますから、感想など聞かせてください。
それでは、Have a nice day。

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