My foot print in YUTAGAWA.
鶴岡には5年ほど前から友人のKくんが住んでいる。一度訪ねたいと思っての今回だった。全く馴染みのない東北・山形だし、夏に行ったってしようがない。伊勢育ちの自分は東北・日本海・豪雪なんていう見知らぬイメージに多いに心引かれるものがある。吹雪いていようが何だろうがそんな土地に立ってみたかった。そんな土地で暮らす人々はどんな人たちなんだろう、なんて興味も。
Kくんの仕事が終わるのが20:30までずれ込むということで、小一時間ほど鶴岡駅前の居酒屋「神田川」という店で独り過ごした。雪国のわりには日焼けした40歳くらいの主人が迎えてくれる、感じは悪く無いが表情が薄い、それにこの程度の店と言えば失礼だけど、割烹料理屋の板長みたいな出で立ちが笑かす。調理白衣にネクタイまでしちゃって帽子まで被ってる。熱意は買えるが、何もこの環境でそれを発揮せずともと思える。ただただ実直を絵に描いたようなサムライのような人なんだろうな(笑)庄内武士ってのはきっとこのような感じなんだろうなと納得し、地酒をやった。そして彼は相当な方言であまり何を言ってるのか解らんかった。鶴岡農大の女の子が研修でその店を手伝ってるらしく、彼女とも少し歓談した。
んっ、ふと思った。何故、鶴岡で「神田川」なんだ?もしかしたら浪花割烹・北新地のあの「神田川」で修行でもして来たのかな、このサムライ主人は(笑)
20:30頃 Kくんが車で迎えに来てくれて20分ほどドライブして市内少し郊外の湯田川温泉に。宿も彼の友人がやってる「つかさや旅館」に投宿だ。若旦那のTくんが数本の地酒と料理で迎えてくれて、さっそく3人で酒盛りの開始。美味しく楽しい時間でした。冬は雪に閉ざされる土地柄、食材にしても簡単に大地から恵まれなかったりするわけだから、食材に対するリスペクトを学ばされた。特に「藤沢カブ」という野菜は見たことも無い代物で貴重な体験だった。小さな大根のような紫色をしたカブで、網焼きにして塩で食べたが辛みもそれほど感じず見かけのわりにはメローな味で、これが地酒に良く合うのでした。
湯田川温泉は10軒弱の小規模な旅館からなる昔ながらの温泉街。かつては、鶴岡の奥座敷ということで花街だった歴史を持つ何とも艶っぽい土地柄らしい。現在では趣も少し異なるが、神社仏閣や鯉の泳ぐ池や梅林公園など、粋を遊ぶための装置も残っている。ボクのお世話になった「つかさや旅館」のTくんも30代半ばでこの地でこの稼業を、この湯田川温泉街には他にもUターン組の若い世代が様々なこの土地のビジネスに従事してた。宿屋はもとより、造り酒屋に焼き鳥屋などなど、おもしろいなと思った。伊勢の人には解るだろうが、二見の旅館街などよりもそのスケールは小さいのだけれど、そのぶん各旅館のフットワークが軽くネットワークが出来上がっていて連係プレーの上手なチームワークを感じました。旅館街も、自分の宿で閉じこもって商いしてしまうと逆に温泉街としては閉塞感溢れてしまうと思うのです。しかし湯田川なんかは例えば、人気店「焼き鳥ひで」なんて装置があって、そこでは土地の人も旅の人も入り交じってワイワイと飲んでるわけで、人々や時間や情報や様々なことがシャッフルされてる。こうこなくっちゃいけないとボクは思うのです。こういう場がある町からは新たな物事が息吹くものです。
さて詳しくは Facebook のフォトアルバムをご覧ください。次回はこの旅のリポート最終回として、この青春18ツアーを予算など経済的な側面から報告したいと思います。お楽しみに。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.432756743462299.105281.100001839313078&type=1&ref=notif¬if_t=like

1