全日本シクロクロスの観戦は何年ぶりかな?
10年近く前に佐久で行われて以来だな。
MTBもロードもシクロクロスも、全日本チャンピオンを決める年に一度のこの大会は特別な大会。
その緊張感が大好きだ。
今年も様々なドラマがあった。
本気で1番を狙っている選手達の闘いに熱くなった。
本気の勝負をして得た嬉しい気持ち、悔しい気持ちは、選手達を更に強くするだろう。
男子のレース、野辺山クロスの表彰台でピークを全日本に合わせると言っていた小坂父の走りにも注目していた。
勿論、世界を目指している若い選手達はもっと前を走らなければいけないし負けちゃいけない。
小坂さんは、私がMTBを始めた時から、MTBレースでいつも優勝争いをしている選手だった。
MTBの全日本で若くて勢いのある強い選手が台頭してきて、独走優勝を目前にしながらパンクし、修理にも失敗してバイクを押しながらゴールを目指している所を渾身の力で追い上げ、ゴール直前でかわして優勝を飾ったのが小坂選手だった。
そして、若者はその悔しさをバネに更に強くなり、翌年全日本チャンプになった。
彼も、その御両親も、今回会場にいらしていたので、このレースをどんな風にみてたかな?と思った。
今回のレース。
小坂選手は、スタートで何かあったのか?、ずいぶんと出遅れてしまった。
先頭パックは有力選手で固められ、それを1人で追わなければならない厳しい展開になった。
攻めて攻めて、踏めども踏めども、その差はかなり縮まるも、また離されたりで、なかなか着き切る事が出来ないでいた。
それでも諦めずに前を追う小坂選手の走りに会場の人達の声援も大きくなっていった。
ほぼ、ワンレースを使って先頭パックに追いつき、でも既にパックではなくなっていたので、先頭と2位の選手には追いつく事は出来なかった。
3位でゴールして両手を上げた小坂選手の姿は初めて見た。(そんなに沢山レースを見ているわけではないけど)
やりきったんだと思った。
表彰台でのコメント「今日、勝って引退しようと思ってましたが、これでまた辞められなくなりました」
少し会場には笑いも起こったし、私も笑ったけれど、同時にもっと深い物も感じた。
レースを続ける事に葛藤がないはずはないと思う。
世界を目指して走る若い選手達が確実にレベルを上げているはずなのに、そこから離されない力、彼らを押し上げる力を付けていく事。
それがどれだけ大変な事か。
私にはそこまではとっても出来ないけれど、近い事は出来る。
自分にも出来る。
また、勇気をもらいました。
そして、全日本チャンピオンを勝ち取った人達、かっこよかった!
チャンピオンになれなくても、それぞれの思いをぶつけた走り、かっこよかった!
日本一の山、富士山が見ていた。


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