先日のレースを終えて雑誌社の方から、今年の目標みたいなものを聞かれました。
なんとなく自分の中では目指す方向みたいなものが整理出来つつあるように感じていたけれど、いざ聞かれると返答に困ってしまいました。
オリンピックを目指してもいないし、世界大会やアジアの大会も頭には無い。
全日本の順位やナショナルランキングやシリーズ成績を求めている事も無い。
昨年のように少しでもUCIポイントをとる事を求めるレースも出場レースには無いし、自分の成績が何かに影響するという事も無い。
はっきり言ってしまえば、具体的なレース目標が無い。
でも、今年もレースを走る事にした。
それは、やはり走りたかったから。
自分の心が求めている事がやりたかった。
自分の身体が求めている事がやりたかった。
もともと何かが目的でレースを始めたわけじゃない。
もっと強くなりたかったし、もっと速く走りたかったからトレーニングをし、その延長上にレースがあった。
ずっと、大きな大会は目標ではあるけど、目的では無かった。
だから、目標は無くても、目的があれば走り続ける事が出来るんじゃないかと思っている。
レースに向かう気持ち。
昨年までとはある意味違っているし、ある意味変わらない。
今は、質の高いトレーニングを沢山出来る身体でもないし、やる事はやったと自信を持ってレースに出場する事も無いと思う。
XCレースの理想の走りは頭の中ではあっても、そうしたトレーニングが出来なければレースでは出来ない。
今の自分は、理想を求めず、自分と向き合ったレースをするしかない。
勿論、理想を捨ててしまったわけではないです。
なんとなく心の整理は出来ていたし、怖い物は無いはずだけど、レースを走る事を選んだ事が良かったと思えるかどうか、不安はあった。
そして、レースを終えて、走って良かったと思う事が出来た!
それは、一番の勝負所で集中出来て勝利を勝ち取る事が出来たからかもしれない。
あの壁で簡単に足をついてたら勝つ事が出来なかっただろうし、走るんじゃ無かったと思ってしまったかもしれない。
それは解らないけれど、自分の心、自分の身体が求めている事に一番素直になれる場所が、今もレースの中にあると感じる事が出来た!
何か解りにくい表現になってしまうけれど、「これで良いんだ」と思えた。
応援して下さる人達がいる事、勝利を喜んで下さる人達がいる事、それが本当に嬉しいし、それがあるからこそ、自分の中にある目指すものは消えないのだと思います。
何か矛盾するようではあるけれど、上手くいかない時も「これで良いんだ」と思えると同時に「これではダメなんだ」と思える自分でありたいと思います。


20