にゅっちゃん=クロが我が家にやってきたのは4年前の5月6日。夕方ベランダに出て洗濯物を取り込んでいると『みゃ〜みゃ〜』と赤ん坊のような泣き声がする…「ん?ネコ?」と我が家のある3階から下を覗き見るも、何にも居ない。あちこち探すがマンションの敷地内にも外にも見当たらない。「一体どこから声がするの?」気になってしかたがなくて、外に飛び出しフェンスの外側から耳をすますと…「居た〜っ!」そこには真っ黒な物体が。微かにモゾモゾ動いている。長女をそのお宅の庭に入れていただき、抱き上げたそれは…何?これ犬?猫?ネズミ?と見分けがつかない程小さく、当時まだ6年生の長女の手のひらにすっぽり納まるサイズ。早速ストローで温めた牛乳を与えてはみるものの眼もまだ開いていないせいか上
手く飲むことができない。すぐさま知人に助けを求め、哺乳瓶で猫用のミルクを与える事を教わる。
次の日、ペットショップのおじさんに話をすると『きっと親猫がくわえて移動する時に落っことされちゃったんだね。乳児期に栄養が足りないと眼が開かない事もあるんだよ。がんばって育てな〜』
この時私は決心した。例え眼が開かなくてもこの子を育てて行く!
ほんの一時預かりのつもりで拾ってきた感情はいつの間にやら変わっていた。
実は私、大の犬好き。幼少から色んな動物を飼ってきたけど、猫は全く初めて。おしっこやうんちをする時は、お母さんがお尻をなめて促してあげることぐらいは知っていた。ティッシュをお湯で濡らしお尻を刺激してあげるが中々しない。お腹はどんどん膨らんでいく。そこで、子供達が赤ん坊の時もやっていたお腹のマッサージを施すことにした。♪おにゃかにょおにゃかにょマッサージ〜クルクルクルクルマッサージ〜♪
そうして初めて排便出来た時の喜びと言ったら(*´▽`*)我が子の時以上だったかも知れない。
一週間ほど、昼休みを利用してミルクをあげに帰ってきていた。幸い勤務先は自転車で5分の場所。40分の休憩時間の間でなんとか行って帰ってこれる。
ある日のこと、いつものように寝ている子を起こしミルクを与えて、ついでに洗濯物を取り込んでいると、たどたどしい足取りで、ニャーニャー言いながらこちらに近付いてくる。よく見ると目頭の辺りがキラキラ光っていた。「何?見えるの?!ママが見えるの?!」「ニャー」
その眼は日を追うごとにキラキラの範囲が大きくなり、ブルーがかったクリクリお目々に。でもまだ焦点が定まらず見えてはいないようだ。つづく

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