先日、フリーの役者さん・天国ミロさん(彼については
ブログ参照)と
もう長いこと「飲みに行きましょう」と約束してるのに
行ってないですよねってことで
店長に夕方からお休みをいただき(ありがとございました)
黄金舎のほど近くの居酒屋さんに。
なんでも、オジョー店長情報によると
そこは生ビールが280円ってことで
「なんだよおい、そりゃそこ行くしかないでしょう」
ということで意気揚々と
外見の怪しい二人で連れ立って入店、
もっと大衆居酒屋ってカンジかと思いきや
いい感じの店内にちょっと不安を覚えたものの、
メニューで生ビールの値段をすばやくチェック、
情報どおりであることを確認しアイコンタクトののち、
ビールを注文してひとまずカンパーイ。
当初、多少の固さもありながら、
ビールがすすむにつれ、
お笑いの話や好みの女性像など、
20代後半から30代前半の男なら
ビッグバン以降広がりつつける宇宙のように
繰り返し話し続けるであろう話をアクション込みで繰り広げ、
程よくお酒がまわってきた頃に
「スンマセン、ちょっとトイレ…(天国さん)」
ベルボをはためかせ、颯爽とトイレに行く天国さん。
程なくして、戻ってきた天国さんに
「俺もいってきまーす(僕)」
…と入れ替わりでトイレに。
トイレで用をたしていると、
目の前に貼り紙が。
『○周年につき、キャンペーン!』
どうやらこのお店が周年キャンペーン中らしい。
『生ビール(オープン当初のお値段と同一)190円に!』
…えっ!?
まだ安くなるんですか!?
しかもキャンペーンは今日(飲んでた日)から。
スキップして席に戻りたい足を必死に抑えつつ、
椅子に座るや否や
「天国さん。ビールが今夜、とんでもないぜ。」と報告、
「…のようですね。」と天国さん。
えーもう、たくさん飲みました。
そんな中、ちょっとした事件が。
自分が思う、表現者のあり方を気持ちよく話していた僕。
(役者さん相手に、オマエはナニサマだ…スンマセン)
喋っていると、口からポロッと何かが落ちた。
反射的にキャッチした白い物体。
…歯。
「あれ?歯が取れた。(僕)」
「…ぇえええー!?歯が取れましたよーッッ!!(天国さん)」
取れました。
歯が。
何の前ぶれもなく。
しかも前歯。(差し歯ですけど)
それは10年近く前、まだ学生だった頃
バイトしていたハワイアンバーで
バイト終わりお疲れさまの一杯を戴いて、
ほろ酔いの僕を見たマスターが面白がって
さらにホットラムとか(寒い冬の日だった)を
ガンガン飲ませ、
初めて記憶が飛んだ若かりし日。
なぜちゃんと布団に入って寝ていたのかも
ちょっと不思議なぐらいの次の日の朝、
ユニットバスの洗面台で顔を洗い、
気持ち悪い寝起きを何とかしようと
鏡に向って朝イチの笑顔をニッとやったら
…前歯が一本無い。
コントのようなその設定に、
パニックの人間は到底対応できずに
何度か笑いなおしてみるという訳のわからない反応。
電話でマスターに昨夜の事をきけば
「そういや店の奥で一人『ああ〜!!』とか叫んでたな。」と。
…いったい何があったのだ。
しばらくして、
「このままではどこにいってもドリフのバカ兄弟コントになってしまう」と
やっとその異常な状態をのみこむことができた当時の僕は、
タウンページで近所の歯医者を調べ、
(当時はインターネットなんて、ましてやグーグルアース
ー10/31の記事参照―なんて身近に無かった)
慌てて駆け込むと
「歯を入れないとダメですね〜」と差し歯の提案。
このままでは人と真面目な会話が出来ないし、
仕方ない…と恐る恐る治療代を聞くと…
「見た目を気にしないなら、保険の範囲で3〜4千円。
見映えのいいやつは、最低8〜9万します。」
…えええぇぇぇーっっ!!??
ナニその金額の差!!
怖いんですけどっ!明らかに罠の香りがするんですけどっっ!!
見映えって何なの!?
学生だと思って馬鹿にしてる!?
「じゃあ、安い方で!」とか安易に決めて
出来上がったらドカベンの殿馬みたいになって
「…うぷぷっ!だから…ブブッ・言ったじゃん…ァッハハ…ヒーヒー」
とか言うんじゃないの!?
…と疑心暗鬼に陥った僕は悩んだ挙句、
涙声で「見映えの方で…」と依頼、
「…あいよーッ」とばかりに歯形を取られ、
数日後に見事な前歯が入りました。
(もちろんビンボー学生だった僕は親に借金。)
その前歯が!
生ビールの安さに嬉々として顔を赤らめている僕を!
数年の時を経て、また悩ませようとは!
結局その居酒屋を出る時は歯を元に差し戻し、
何食わぬ顔で帰宅、
奥さんにしばらく今日がいかに楽しかったかを語り、
程なく…
「ほんでさあ…今日、差し歯抜けた。」
と歯を抜いて見せると
さっきまで「うんうん、へぇー」と話を聞いていてくれた彼女は
「…えー…何してんの…もー…」と、うんざり。
週明け、仕事の前に歯医者へ行き、
また愕然とする金額を突きつけられるのではないかと
ひざを震わせながら、
「抜けた差し歯、持ってきたんですけど…
も一回付けてもらったりとか…アハハ、ダメですかね…」
とダメもとで聞いたところ、
差し歯と抜けた箇所を入念にチェックした若き歯科医さんは
「差し歯自体もしっかり作られてますし、大丈夫でしょう。
元に戻してしばらく様子見てみましょうか。」
と言いながら怯える僕を優しく寝かし、作業に入ってくれた。
ありがとう!ありがとう!先生!
「じゃあ、抜けた歯を入れていきますね〜」と
笑顔で木製のトンカチを出された時は、
大丈夫かなこの先生、と思ったけど
(差し歯をしっかりと入れるために、木槌で叩き込むのです)
数日経った今も、歯はしっかりと付いています!
そして…
あの時の歯医者さんもありがとう!
疑ってたりして!本当にゴメンなさい!
アナタの作ってくれた差し歯は
10年近く経った今も、
しっかりと僕のシリアス顔を守ってくれています!
…で、何が言いたいかというと
黄金舎にご来店後、どっか飲みに行こう!って時は、
「
のんでこー屋(←グルメぴあリンク)」がビール安くてオススメですよ。
(多分キャンペーン価格はもう終わっちゃってるけど。)
通常料金でも、差し歯入れる金額で300杯ぐらいのビールが飲めるぜ!
…という事です。

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