以前住んでいた家を売却することになり、昨日もその家に荷物の整理に行っていました。
私の母の実家の近くに私が初めて購入した家なので、中古の古い家なのですが、愛着があります。亡くなった祖母にとても可愛がってもらい、その祖母の家のすぐ近くだったので、住んでいる間ずっと祖母に守ってもらっているような感じがして安心でした。
金沢にある低い丘陵の裾あたりにあって、緑も多く、旧の北国街道という大名行列が歩いた道沿いの家でした。築80年は経っており、納戸になっている二階の部屋の壁はかまどのススで真っ黒になっていました。昔の家は入るとすぐ土間になっていて台所があって天井まで吹き抜けになっていたものでした。そこを後で無理やり二階建てにしたので、かまどのススのついた納戸が二階にあったわけです。
多分昔は屋根の瓦は無くて丸石が幾つも屋根を抑えていただろうと思われる低い家でした。リフォームをしてもらって住んでいたのですが、夏は涼しい代わりに冬はとても寒い家でした。
ただ、祖母の懐かしい思い出がいつも周りに漂っていて、近所の方達も祖母や母を良く知っている方達もいて、何とも居心地の良い家でした。古い家というのは、思い出といっしょに住むというような感覚があるものです。優しい優しい祖母の思い出は私と共にありますが、この家ともいっしょにあったものでした。

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