今の家内とまだお付き合いをしている頃に義父の実家というか養子にもらわれた先というか、そういう土地に案内されたことがありました。
彼女に案内されるまま加賀の辰口の仏大寺というところに向かったのですが、随分山の方に向かっているなぁと思っていたら道が狭くなり、その先には車一台がやっと通れるほどの狭さの手掘りと思われる古い暗いトンネルがありました。言われるままにそのトンネルを突き進むとその先には何かの樹花が咲き乱れる里が広がっていました。
うわー隠れ里だぁと心の中で叫んでしまったものです。そこは10軒ほどの農家が点在する山間の小さな集落でした。後で分かったことですが、その義父の実家の近くの山は観音山と呼ばれていて霊水が湧く不思議なところでした。
今では立派な道路が開通してその小さな狭いトンネルは通る必要はなくなりました。それでもあの土地は今でも私の中では隠れ里ですね。

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