長かった連休もあと二日になりました。とは言っても当院は普段と変わらず営業を続けております。
日銭仕事の自営業者は祝日と言っても働かなければ食べていけません。日々お客様一人ひとりと真摯に向き合って体調管理の一助となることを心掛けていくだけです。それにしても本当に毎日お客様が来ていただけることをありがたく思って仕事をさせていただいています。
身体の構造や仕組みを毎日考えていたり、お客様の身体や心の中身を推察したりし続けていくと段々人の身体や心の仕組みがぼんやりとですが、理解できるようになっていきます。触っただけで痛い箇所の原因となるものが分かったりするようになっていきます。これを指圧の先達たちは「原始感覚」と呼ばれました。
原始時代にさかのぼって文化文明の無い時代の人間には触れただけや見ただけで何某かの人の身体の流れや滞りが分かる能力があったようです。道具に頼るようになり、衣服や住居を得て人は段々そういう感覚を退化させていったように思います。
鍼灸の偉い先生が弟子となる人たちに「指圧をまず10年やりなさい。そうすると押さえるべき身体のツボが見えるようになる。」とおっしゃったそうです。身体に触ること。これが「医」の原点なのだと私は思っています。問診、見診も大切ですが、触診こそが身体の本質に迫る医療行為の原点なのだと確信しています。
例えば連休中家族が一緒にいる時間があれば、お互いに身体を触りあってみるというのももしかしたら大切なコミュニケーションの一つになるかもしれませんね。

13