今の仕事に就いた22年前、とても怖かった記憶があります。他人の身体を操作する恐怖というのが最初にありました。こんな仕事ができるのだろうかと思ったものです。
それがクリアできたのは、最初に習った施術がマニュアル通りにやり続けるものだったからかもしれません。本当はこの施術はニセモノで人の身体を癒す効果は一割ほどしかありませんでした。
それでも一緒に習っていた同期生の人たちと研究を続けて行って、その中で「操体法」という技術に出会い、次に単独で「動禅指圧」に出会って永井先生に師事させていただき、「タオ指圧」に出会って遠藤先生に師事させていただきと、何かに導かれるように仕事の内容がブラッシュアップされていき、いつの間にか天職だなと思うまでに至っていました。
自分の天職と呼ばれるものに出会っている人が世の中に何人おられることでしょうか。そんなに多くは無いように思います。それでも誰もが懸命にお仕事を頑張っておられるのだと思います。
自分は幸せ者です。生きがいとやりがいと食べて行けるだけの術を得ることが出来ました。生涯をかけて研究精進していける道を見つけることが出来ました。何と在り難いことかと日々何もかもに感謝している次第です。
産土の神様を知り、生涯の自分の役割を知った時に目に見えないものに導かれている事実を悟りました。そういう運命に逆らってはいけないのかもしれません。素直になることが苦悩する世界から浮かび上がる唯一の道なのだとわかりました。
適職に就くには自分に素直になるのが一番なのかもしれません。それは単純な道ではないのですが。

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