BS放送で鎌倉時代の仏像彫刻家の運慶の特集を観ました。
その写実性に感嘆しました。800年以上前の作品なのに全く古めかしさを感じず、強烈なインパクトを与えてくる作品群で驚きました。
運慶は何故これほどの写実性に行きついたのか?仏と人との間の心空間を何かで埋めようと必死でもがいた結果としてこういう姿に行きついたのかもしれないと思いました。何百年も経っても、そこに人の心に直接響いてくる作者の心持があります。
伊藤若冲も写実の鬼と呼べる芸術家です。彼の場合は背景に心の中の奥底にある悲哀、絶望感のようなものがあって、その空虚感を埋めるかのような「写実」があったように思います。
人は何か絶対的なものとの距離を詰めようとしたときに「写実」という技法に行きつくのでしょうか?

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