中学生くらいのころに教科書で志賀直哉の「城崎にて」という小説を読んで以来、いつか城崎温泉に行ってみたいと思っていました。この小説がきっかけで純文学の小説を読み始めたということもありました。
城崎温泉は兵庫県の日本海側にあります。車だと四時間半ほどかかります。途中城崎マリンワールドという水族館により、トドやセイウチを見てトドの大きさにびっくりしたり娘に水槽の中の大きなエンゼルフィッシュのような魚がマナガツオという名前だと教えてみたり(後で調べてみるとこの魚はカツオの仲間ではなくてスズキという魚の仲間で真似カツオ・・・つまり味がカツオに似ているからそう名付けられたという説があるらしい)、その後城崎温泉の中にあるロープーウェイに乗って温泉寺という真言宗のお寺さんへ行ってきました。
今回の旅で呼んでくださったのはこのお寺の仏さまのような気がしました。
日本海側にある鳥取や島根と共通している独特の霧の中にぼんやりと在る低く丸い山々の風景、湿った大気、小さな川が何本も流れていて空気が森閑として冷たい感じ・・・その中でこのお寺のご本尊の千手観世音菩薩様を見ていると「そのままでいいんだよ。」という声が聞こえてきたような気がしました。
旅館は古いホテル旅館でしたが、料理も温泉もなかなか渋いティストで気に入りました。温泉の泉質は柔らかくて温度も適温で気持ちの良いものでした。
帰りは姫路のほうへと回り家族のリクエストで姫路セントラルパークという動物園に寄りました。車のまま動物たちが放し飼いになっているエリアを走る趣向で面白かったです。カピパラやらミーアキャットがかわいくてワーワーキャアキャアと家内と娘は楽しんでいたようです。
今回の旅も弘法大師様が導いてくださったような雰囲気がありました。そして日本海側独特のあの土地の雰囲気がとても好きなのだと実感したような旅になりました。


0