当院のお客様で70歳代のおばあちゃまがおられます。お年の割にはとてもお元気で矍鑠とされておられて、耳が遠くなったことと耳鳴りが少し辛くて、その耳鳴りの軽減になるので当院に時々通われています。
その方が先日少し憔悴した風で「弱っている」と相談されてきました。若い女性の古くからの知り合いの霊感があると言う人から「貴女の寿命が終わりつつある。頭の右上にお迎えの雲が来ている。」と言われたのだそうです。ご本人は死ぬことは何にも怖くないのだけれど、ご主人が自分よりも高齢で残していくのが心配でしょうがないので、今先に死んでしまうわけにはいかないと思われているのです。
少なくとも霊感のあるものが人の寿命を告知するなんて言語道断と思いました。話を詳しく聴いてみるとその霊感のあるという女性は先日自身のお母様を亡くされたばかりとのこと。氣視してみると随分とお母様に頼り切っておられた方だったようで精神が失調しているようでした。
「自分の母親が死んだのに、何故お前は生きている。お前も早く死んでしまえ。」そういう気持ちが無かったとは言えないような状況だったようです。
もちろんそのお客様の寿命はそんな早く尽きてしまうようなものでは無いのですが、ご本人はショックが大きくてなかなか心の動揺が収まらない様子でした。私はその霊感女性の心の失調をお伝えし、全くの言いがかりであることを話しました。
例え霊視で寿命が視えたとしてもそれは決して口に出していいことではないのは当然のことです。怪我や事故の予兆とかが視えれはお教えすることはやぶさかではありませんが、寿命に言及することはしてはならないことだろうと思います。この霊感女性のなされたことはある意味で強い「呪」であると思います。そして「人を呪わば穴二つ」というのは真実です。ご本人のためにもこの「呪」が雲散霧消することを祈るしかありません。

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