以前にも書いたことがあるのですが、仏教宗派の中でも浄土真宗が盛んな北陸・金沢では「報恩講」という催しが昔はよくありました。
私が子供の頃はおばあちゃんや中年の女性たちがよるとさわると「ほんこさん」というものについての打ち合わせをよくしていたので、「ほんこさん」という何かが好ましく人々の中で受け入れられているという感じがしていました。
実際には「報恩講」という宗教集会でお寺さんなどでお坊様にお経をあげていただいて、法話というお説教を聞くという催しでした。
後で母に聞くと報恩講はお寺さんだけではなくて、一般の家庭でも頻繁に12月あたりには催されていたのだそうです。
そして母に言わせると「今時のお年寄りは 死 というものについて話すのをとても嫌がる」とのことです。母曰く死というものは身近なものとしてよく考え、覚悟を造り、準備をしておくべきことで昔はお坊様のお話を常に聞くことでほとんどの人達がそういうことを身近な話題として受け入れていたのだそうです。
しかし段々とそういう機会が減り、お年寄りにも「現実主義・快楽主義」が蔓延して「死」とか「仏教」というものを忌み嫌う風潮が出てきているのだそうで、母にすると情けないことだと言う事らしいです。
ほんこさん・・・そういう言葉が廃れて行って人の心が御仏の教えから遠ざかって行ってしまうのはちょっぴり悲しいことに思えます。

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