新谷卓弘さんという医学博士の方の表した「心に効く漢方」という著書の中で精神分析法のエゴグラムと五臓の関係性が書かれています。
エゴグラムにおけるCP(批判的な親の心・父親)、NP(養育的な親の心・母親)、A(大人の心)、FC(自由な子供の心・甘えん坊)、AC(順応した子供の心・優等生)という五つの分類を肝臓・胆嚢経、肺・大腸経、脾・胃経、心・小腸経、腎臓・膀胱経という五臓の経絡に分担させて解釈していく方法になります。
この関係図を治療スペースに張り出して施療後の身体の状態と心の状態の関係を説明するのに便利に使わせていただいています。本当にぴったりと体の状態と心の状態が合致して描き出されるので、いつも驚かされています。
例えば慢性鼻炎などの「鼻」に関わる持病などは「鼻→肺・大腸経→母親」という図式が成り立つのですが、幼いころにお母さんとの関係が何がしかのトラウマになっていたりする場合にこういう鼻の症状につながる傾向があることも考えられます。
心の形成の過程において身体も同じように形成されていく・・・そういう部分もあるのだと思われます。一概に全ての人にあてはまるわけではないのですが、慢性症状や体質的な虚弱を考える際に参考になる見方だと思っております。

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