時間というもの、時というものは決して人を待っていてはくれません。「時間通りに」という言葉どおりに次々と過ぎ去っていきます。
人の出会いや別れにしても時間が支配していると言っても過言ではないかもしれません。どんなに別れたくない人とも時間が許す限りしか会っていることは出来ません。どんなに出会いたくても時間が来なければ出会うことは出来ないわけです。
一年の過ぎゆく速さは年を取るごとに早くなっていきます。一日一日を大切になんて言っていられるのは若いうちだけだとこの頃何となく悟ってきました。若いころの一瞬という感覚で一週間が過ぎ去っていくのです。それは充実した日々を送っていないせいだと非難しないでください。凡人にはそれ相応の日々しか送れないのです。
子供だった私を可愛がってくれた身内の方達がこの数年でばたばたと亡くなられて行きました。違う本のページに移って行かれただけだとはわかっていますが、この本の世界ではもう会うことは出来ないわけです。
時間という読み手がめくっていく本のページ、もうすぐ次のページが開きます。どんなページになるのか、私達はどんな物語を綴っていくことになるのか、「時間」という読み手にしか解っていない事なのでしょう。

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