知恵の泉というのは聞いたことはありましたが、智恵の湖というのは初めて知りました。
ある方の前世がインディアンの長老なのですが、彼の住んでいた地域にある森に囲まれた湖があって、彼はいつもその水辺を散策していたらしいのです。
いろんな知識を身につけ、あらゆる体験を積み重ねてきて、至高の英知に手が届きそうな彼なのですが、実はその横に横たわっている湖がその英知を湛えたものだとは気付かないでいるという光景を見せられていました。
人は、いろんな知識や体験を得ようといろんな集まりに参加してみたり、色んな人と知り合いになろうと努力してみたりしますが、本当の英知というものを得ようとするならば、自分自身というものをまっさらの空っぽにして、謙虚すぎるくらいに謙虚に素直に愚直に一つの道を歩み続けるほうが正しい英知を得られるのかもしれません。やみくもに自分の「我」の趣くままにあらゆる知識を吸収していっても、それはコレクションを増やしているだけなのかもしれません。
縁というものに導かれるままに素直に一つの道を歩み続けるという事はなかなか難しいものですが、情報過多のこの時代においてはますます難しいことかもしれません。しかし、英知を湛えた智恵の湖は風景の中の一つとして目の前に横たわっているのかもしれません。

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