という題名の池澤夏樹さんの書いた小説を読んでいました。これは某大手電機メーカーに勤めている主人公が風力発電の装置開発者で、ネパールにひょんなことから小さな風力発電装置を設置に行くというお話しでした。
この中にチベット問題が少し語られていて、チベット民族がインド、ネパール、ブータン、中国等々の国々に亘って定住していて、全てのチベット民が中国の弾圧侵略を憎んでいるという内容でした。
読み終えて、ダライ・ラマ14世の事は尊敬していたので、何となくチベット・シンパになったような気持ちで居たところに今度のチベット暴動事件です。
武力弾圧というのは無条件で良くない対応だと思います。でも、今の中国ではそんな事は通らない。そんな中国にわが国は未だにODAを何百億円としている・・・。中国野菜の農薬残留問題もうやむやになりそうだし、日本の製造メーカーは中国と共同技術提携を進めているし、「米中対立構造」という世界の枠組みが出来上がりつつあるようだし・・・。強大な中国の軍事・政治力はアジアを支配しつつあるように思えます。
新聞によるとダライ・ラマは中国からの分離独立は望んでいないと言っている。あくまでも自治独立は求めているけれど、中国を立てようとして発言を調整しています。これほどのバランス感覚を持った賢人は今の世の中にほとんどいないように思います。ダライ・ラマ14世は金沢に友人がおられるらしく、日本に来るとちょくちょく金沢を訪れることがあります。小説の中でも、チベット民族は全てダライ・ラマを深く信頼・尊敬しているようです。これほど、平和的で敬虔な仏教徒であるチベット民族を日本は何故援助支援しないのでしょうか?
チベットの暴動が犠牲者をこれ以上出さないでくれることを祈っています。

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